島谷弘幸氏という現在

島谷弘幸氏という現在

2025-01-10

前九州国立博物館館長であった島谷弘幸氏は、現在は国立文化財機構の理事長という、日本の文化財を統括する最高責任者ですが、島谷氏の現在の地位は日本の文化の位相のみならず、日本そのものの位相を象徴していると思います。なぜ島谷氏が、日本の現在を映し出しているのか、その考察が本号のテーマです。

1.韓流史観拝跪主義者島谷弘幸氏

2025年年賀状本文に入る前に、今年最初の発信ですので、遅ればせながら、新年のご挨拶をさせていただきます。

さて、本文です。

昨年暮れに、驚くべき記事を目にしました。島谷弘幸氏が文化審議会の会長に就任しておられるという記事です。対馬の越高遺跡で出土した調理用の炉の跡が朝鮮半島で見られる炉と同じだということで、朝鮮半島との交流を証明するものだとして国史跡にするようにとの答申を出したというものでした。

島谷氏に関しては、新館なった、皇室の美術品を保存管理する皇居三の丸尚蔵館(こうきょさんのまるしょうぞうかん)の館長に就任されたという報道を知って、とても危険な人事だと批判しましたが、どのブログに書いたのか思い出せません。ブログ内検索をしても出てきません。

なぜ危険なのか。
島谷氏は2015年~2021年3月まで九州国立博物館(九国博)の館長をしておられましたが、島谷氏は歴代館長の中でも、超異例、ダントツの韓流史観に拝跪している館長だからです。

今から振り返ると、おそらく島谷氏が館長を退任する前の最後の展示だったのではなかったかと思いますが、展覧会場の出口に、島谷館長署名入りで、日本の文化は古代から現代にいたるまで韓国が作ったという趣旨の、メッセージを記した看板を掲げておられました。

展示で親韓ぶりを披露するという例はあちこちで目にしてきましたが、これほどストレートに韓流史観拝跪主義宣言を見せられたのは、後にも先にもこの島谷氏のメッセージボードのみです。ここまで明確に韓流史観拝跪主義を表明する人物は、博物館館長はもとより学者、専門家でも他にいないはずです。

もちろん、島谷九国博では、個々の展示でもこの拝跪主義は露骨に発揮されています。

島谷氏以前には、遣唐使の実物展示が史実にのっとり、中国から多分野にわたる大量の文物が移入されたことが一目で分かるような、山積みされた荷物を載せた遣唐使船が展示されていました。しかし、島谷氏に代わってから、突如として、この山積み船が全面的に撤去され、細い経巻5本だけという驚異の貧寒展示に変更されてしまいました。

この異様な変更に驚き、わたしは批判ブログを書きましたが、それが多少は効果があったのか、展示品はごくわずか増えました。しかし日本文化は韓国が作ったという、韓流史観拝跪主義に逆らう展示は許さぬという基本方針は全く変わっていません。

その実例をも一つ、中国の魏・蜀・呉の三国時代の展覧会で、何か変だなあという感じに襲われたのを思い出しました。何が変なのか、すぐにはその原因に思い至りませんでしたが、会場を回っているうちに、あっと気がつきました。

三国のうちの魏は、卑弥呼が朝貢した国で、当時の倭国(日本)とは親密な関係にあった国だったという、魏志倭人伝で有名な史実をやっと思い出しました。それまで、何かおかしいなあと思いながらも、何がおかしいのかに思い至らなかったのは、展示のどこにも卑弥呼の「卑」の字も、魏志倭人伝の「魏」の字も出ていなかったからです。

日本で開かれた中国「魏」の展覧会で、魏志倭人伝も卑弥呼についても、全く触れられないということがあるでしょうか。通常なら100%ありえません。しかし島谷館長時代の九国博では、そのありえぬことが発生したわけです。わたしが、変だという感覚の出所がすぐには分からなかったのは、普通ならありえぬ、余りにも有名すぎる史実が完全に無視、ないしは隠蔽されていたからです。

当時はなぜこの史実が完全に無視されたのかは理解できませんでしたが、島谷氏が署名入りで残した、「日本文化は韓国が作った」というメッセージを見せられて、この疑問がやっと解けました。どれほど有名な史実であっても、韓流史観拝跪主義に反するものは徹底して排除するという、その方針を実践したものだったということです。

また、島谷氏が館長就任後に展示されたものの一つに「広開土王碑文」の拓本があります。「広開土王碑文」は、日本が百済、新羅を攻め落とした戦の記録でとして、日本人ならば知らない人はないぐらいに有名ですが、島谷氏は、この史実を全く無視して、今風にいうならば、日韓交流の記録だとのニセの解説付きで展示していました。

葦の葉通信
葦の葉通信8号1 広開土王碑文(15/9/22)

わたしは余りの捏造に驚き、上記で批判しました。わたしは、自分の乏しい漢文訓読の知識も総動員して、仲良し交流の記録ではありえないと批判しております。

わたしの素人批判も多少は効果があったのかどうか、現在は、ニセの解説は外されて碑文の拓本だけが展示してあります。こんなことが許されるのでしょうか。事実を展示するのではなく、捏造歴史を吹聴するために展示するのであれば、展示品そのものを撤去すべきではありませんか。

ニセの解説は削除したものの、碑文だけは展示しつづける。歴史の捏造をこれほど平然と実行する人物が、皇室の文化財のみならず、日本の文化財管理統括のトップに就任!日本にとって、これほどの凶事があるでしょうか。

島谷氏は、2021年4月からは独立行政法人国立文化財機構の理事長に就任。・・・島谷氏が2021年4月に文化財機構の理事長に就任したことは、通常のHTMLサイトでは、あっという間にこの日付が消されてしまうという異変を目前にしておりますので、すぐには削除できないPDFにリンクを貼っておきます。

PDF 令和3年度2021独立行政法人国立文化財機構 概要

独立行政法人国立文化財機構は、5つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館、皇居三の丸尚蔵館)、2つの研究所(東京文化財研究所、奈良文化財研究所)、アジア太平洋無形文化遺産研究センターの8つの施設を運営しており、各施設はそれぞれの特色を活かした事業を展開しています。加えて、本部に設置された文化財活用センター及び文化財防災センターでは、各施設と横断的に連携・協力しながら、文化財に親しむため活用機会を提供する事業や多様な文化財を頻発する災害からまもる事業を実施しています。(独立行政法人国立文化財機構サイトより)

島谷氏就任の日付がなぜ消されるのかといえば、日付があると、誰が任命したのかが即、明らかになるからです。文化財機構理事長は、文科省大臣が任命。当然、総理大臣の意向も反映されるはずですね。で、誰かといえば、荻生田光一文科省大臣、安倍総理大臣。

わたしは、てっきり岸田政権時だと思っていましたが、安倍政権時の荻生田文科省大臣による任命だったことに心底驚いています。

しかし、考えてみるとなるほどと納得せざるをえませんでした。ただ、全身に震えがくるほどの衝撃をもって納得させられたところです。安倍政権、安倍総理は、統一教会に牛耳られていたとはいえ、ここまで韓流史観拝跪主義に膝を屈していたのかと、一種の恐怖すら感じさせられています。

2.島谷氏は安倍政権下で抜擢

その安倍総理に選ばれた、韓流史観拝跪主義者島谷氏に日本の文化財の全てを委ねるということは、韓流史観拝跪主義に日本の文化の全てを委ねることになり、盗まれようが、改ざんされようが、捏造されようが、消されようが、御意のままにと、日本の権利を全て放棄することを意味しているからです。

専門家としても底が浅いとして思えぬ、こんな人物が皇室の文化財のみならず、日本の文化財の全てを牛耳る最高の地位を与えられたという事実、この事実にこそ、日本の凄まじい現在が映し出されています。

こんな人物が、日本の文化行政最高の権限を手にすることができたのは、大学の大改革(大改悪)が行われ、国公立大学から文学部などの文系学部が廃止されてしまったからです。(国立大学大改革プラン Wikipedia)

文系の人材育成が停止されただけではなく、育成に携わってきた教授陣も大学から姿を消してしまいました。専門家の能力を検証、評価する専門家も日本中から姿を消したわけです。無能でも、最も重要な政治的な任務を遂行してくれる人物が大抜擢される。島谷氏はその格好の事例であり、衰退しつつある、日本の現在を象徴しています。

国公立大学でも大学院には文学部は残されていますし、私立大学には、文科省からの直接的な形で文系廃止の指令は出ていませんが、国のこの方針は、私立大学にも多少は影響しているはずです。

日本の政治家は、一流大学出身者でも学術的な素養はほとんどなく、一般的な教養も乏しいという点では共通していますが、どれほど知的レベルが低くても、日本の大学で日本の歴史や日本の言語や文学などを学ぶ学科を廃止するという政策は、亡国の極みであることぐらいは理解できるはずです。

しかし、政権内からはもとより、野党からもさしたる批判はありませんでした。

日本の文化、日本を簒奪しようと狙っている勢力の狙いは的中。韓流史観拝跪主義が日本文化統括の実権を握り、後継者として、少数のコピー弟子を残す。日本にとっては悪夢のような事態が進行しています。

福岡、九州でも、九大名誉教授の西谷正氏という韓流史観信奉者が、考古学、歴史関連すべての分野にほぼお一人で関与されています。ご本人には権力志向はないようだとはいえ、西谷氏以外には拮抗しうる専門家はいません。国公立大学から文学部が廃止されてしまったからです。

西谷氏への批判まで書くと長くなりすぎますので、具体的な批判は別の機会に譲ります。

文学分野でも類似の事例が出ています。2019-05-10に発信したブログです。
品田東大教授への疑問

そこで、ここで確認したのですが、国立大学大改革プラン(Wikipedia)にもありますように、この文系消滅プランを進めたのは安倍元総理だったということです。非常に有名な政策でしたので、ほぼ誰もが安倍元総理のお名前を思い浮かべたかと思いますが、念のため確認いたしました。

わたしは、数いる政治家や総理大臣の中では、安倍元総理を支持していましたが、日本文化を破壊することにしかならない文教政策には反対でしたし、愛国者、日本の国益重視の安倍総理がなぜこんな政策を実行するのか理解できませんでした。

しかし安倍総理にとっては、統一教会の方針第一であったという事実が判明した今は、恐怖をもって全てを理解しています。

そしてその成果(日本にとっての凶事)の一つが、島谷氏の国立文化財機構の理事長任命だったということになります。

しかも、文化審議会の会長も兼務。凶事以外の何ものでもない人事です。文化財の格付けも手掛けるわけですが、対馬の越高遺跡の例のように、選択基準は韓国サマとなりますね。世界文化遺産なども、同様の基準で選ばれそうですね。世界文化遺産はこれまでもそうでしたが。

3.大阪でも日本文化を放棄

今日本では、文化放棄策が政府主導で進められているわけですが、自治体でも文化放棄策が進められていたとしても、それを阻止することは不可能かもしれません。

実は大阪でも、恐るべき文化放棄策が実行されようとしています。

どうなる大阪の遺跡発掘・保存 二重行政解消で解散の市文化財協会、黒字経営でも容赦なし
2024/11/22 産経新聞

税金は投入されておらず、黒字経営の大阪市の外郭団体「市文化財協会(市文協)」が今年度末で解散することが維新府政によって決まり、これに伴って市文協が所蔵する十数万の蔵書を韓国に譲渡するという、驚天動地のニュースです。

韓国は古い時代の文字資料はないので、捏造可能な資料を血眼になって探していますが、大阪市のこの譲渡は夢のような話でしょうね。

しかしなぜ韓国への譲渡になったのでしょうか。日本の貴重、希少な歴史的な文字資料を韓国に譲るために、大阪維新は、大阪の歴史研究を支えてきた市文協の閉鎖を決めたのではないか。大阪維新による、究極の売国的韓国奉仕です。

この異常すぎる大阪市の売国的決定に待ったをかけて、国が代わって管理すべきだと訴えたいと思っていましたが、島谷氏のような韓流拝跪主義者が日本の文化財管理保護の最高責任者だとなれば、絶望的ですね。

しかしそれ以上に絶望的なのは、国公立大学から文学部を追放したという亡国策の効果が、あらゆる領域に波及しつつあることです。仮にどこかの蔵書に移動の必要が出てきた場合でも、各大学に文学部があれば、貴重な蔵書の引き受けてもいくつも出てきたはずです。

自国の歴史や言語、文学などを学ぶ場を消滅させる国には未来はありません。自ら、自国の未来を消し去ったも同然だからです。

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