1 アメリカも血を流す覚悟を!
東部を中心としたウクライナへのロシアによる攻撃はやむ気配がありません。ウクライナ国内で大量の墓地=死者が次々と発見される中、ロシアはなおもウクライナへの虐殺攻撃を続けています。プーチン大統領は、ナチズムを撲滅させるためだとその虐殺を正当化していますが、ロシア自身がナチズムそのもののジェノサイドを実行しています。
この残虐な侵略者相手に戦い続けるならば、この先さらに多数の死者が出ることは必至です。しかしウクライナがロシアに降伏するということは、ウクライナがこの残虐非道なロシアの配下に入ることになりますので、もう降伏する以外に道はないのでは、とも言えません。
アメリカとNATOが即参戦すれば、早期終結も可能なのではないかと思いますが、アメリカは武器を供与しても、アメリカに実害が発生しそうなそれ以上の動きは全く見せていません。
アメリカ国内でも、アメリカの臆病がロシアによるウクライナ侵略を激化させているとの批判の声も出ているそうですが、バイデン大統領は、ロシアのウクライナへの侵略をそそのかせていながら、ウクライナを本気で助けようとは思っていないのではとないかとさえ思えてきます。
24日に、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官がキーウを訪問するそうですので、もっと踏み込んだアメリカからの支援があるかもしれません。というよりも、アメリカは自らも血を流す覚悟でロシアをウクライナから撤退させるべきではないでしょうか。そうなることを切に願っています。
2 韓国は親ロシア派?
ところで、お隣の韓国ではウクライナへの侵略を続けるロシアを非難する声は非常に小さく、ウクライナに対する支援の動きもほぼ皆無。日本の国会でゼレンスキー大統領のオンライン演説会がありましたが、その後、韓国でもゼレンスキー大統領の演説会が開かれたという。
当初韓国政府は、ゼレンスキー大統領から日本や米国などと同じく韓国でも国会で演説をさせてほしいとの提案を受けていたものの、「現実的な困難を受けて拒絶した」という。しかし、日本の国会で実施されたこともあり、急遽方針を転換して実施することになったらしい。
そのいきさつからも想像できますが、韓国政府は、ゼレンスキー大統領の演説会を形だけ渋々実施したらしいことが、各種報道でも明らかになっています。西日本新聞は韓国への配慮が非常に強い新聞なので、このニュースは報道されていません。少なくとも、目に入るような記事にはなっていませんでしたので、わたしはネットの以下の記事で初めて知ったばかりで驚いています。
WEDGE REPORT 2022年4月18日
ゼレンスキー大統領演説で露わに 韓国「恐露病」の真相
高橋一也 (ジャーナリスト
まず演説が行われたのは国会議事堂ではなく、国会図書館の地下講堂だったという。その上、以下の写真にあるように、大統領を映し出すモニターは会場の正面ではなく、両脇のモニターだったという。
さらに驚いたことには、文大統領はもとより、国会議長や尹錫悦次期大統領をはじめとする韓国政府高官は誰も出席しておらず、国会議員300人のうち出席したのはたったの50人! しかも出席した50人も、スマホを見ていたり、居眠りしていたり、椅子の背にもたれかかったまま聞いたりと、苦境にあるウクライナを支援しようという気持ちは皆無であることがありあり。(以上の情景は高橋氏が韓国紙から引用)
韓国政府も政治家も余りにも冷淡ですが、単に冷淡だというだけではなく、礼を欠いた対応ではなかと思います。
韓国紙はこうした自国政府や国会議員の冷淡さを批判的に書いていますが、政府のみならず、国民の間でもロシアの残虐さを批判し、ウクライナを支援しようという声も動きもほとんど見られません。
それどころか韓国では、経済制裁を受けて価格が暴落しているロシア産ズワイガニパーティを楽しんでさえいるという。そういう風潮を批判する国民もいるようですが、残虐非道なロシアのウクライナ侵略を眼前にしても、実際的な損得が全てに優先する韓国の国民性が露骨に出ています。
高橋氏は、これは韓国人に根深く残るロシアに対する恐怖(露恐病)だと指摘していますが、その恐怖の内実は、韓国とロシアとの経済的な結びつきを壊したくないというきわめて現実的な損得勘定からくる配慮によるものです。
ロイター通信が、ロシアが水揚げするズワイガニはほぼ全て韓国釜山に運びこまれ、釜山から中国や日本をはじめ各地に輸出されるという趣旨の記事を配信していたのですが、保存し忘れておりました。検索しても見つかりませんでしたが、日本人バイヤーの以下の日記を見つけましたのでご紹介します。
日記から引用します。
韓国は1990年代から国際水産物物流・貿易基地を目指し、釜山の甘川(カムチョン)港に船舶修理団地や、遠洋漁船の漁獲物や輸入水産物を受け入れる物流・加工団地を整備してきました。一説によると、釜山市の冷蔵保管能力は144万トンもあるそうです。
ズワイガニだけではなく、明太子の原料になるタラコも釜山に水揚げされるという。かつてはロシア産のカニやタラコは北海道や九州でも水揚げされていたそうですが、今ではほとんどが釜山に移っているという。
日記に掲載されている写真にも、ロシア人とおぼしき外国人が多数写っています。韓露関係は日露よりは緊密だろうとは理解していましたが、韓露がここまで日常的かつ緊密に水産事業を展開していたとは驚きの一語。
カニはどこの国でも高級品ですが、タラコも一般魚よりも高級です。その高級品を釜山で一手に引き受けて、ロシアの代理で中国や日本などに輸出しているわけですから、釜山の水産業だけでも、韓国のGDPを大きく押し上げるほどに巨額の利益を上げているはずです。
韓国にとっては、ロシアを怒らせて、釜山からロシアが撤退することになれば、その打撃は非常に大きい。韓国はアメリカが呼び掛けたロシアからの石炭輸入と金融制裁は実施しているようですが、ドル箱であるロシア産水産物の輸出入は断固継続です。
日本政府もロシアからの水産物の輸入は禁止していません。つい先日、サケマス漁に関するロシアとの交渉が妥結ましたが、韓国と違って日本は輸入オンリー。しかも水産物貿易事業の規模も韓国とは桁違いです。
韓国政府は、アメリカ政府からの中国への制裁要請も無視して、自国の利益を優先させました。さらに今、韓国はロシアの残虐非道な侵略を眼前にしても、ウクライナに救援の手を差し伸べようとはせずに、ロシアへの配慮を最優先させています。
ゼレンスキー大統領は韓国に対して、武器の供与を要請しました。というのも、韓国は今や武器の輸出大国への道を突き進んでいますので、大統領は韓国に対して得意分野での支援を要請したのですが、韓国は武器の供与は拒否しました。
では武器に代わる支援をしたのかといえば、そうした気配も伝わっていません。演説会での礼を欠いた冷淡さが全てを語っていますね。
3 損得が全てに優先する韓国
しかしそれにしてもと思いますね。普段は高価で手が出ないロシア産ズワイガニですが、経済制裁で半値にまで暴落。これ幸いとばかりにカニパーティまで開いて楽しむとは。我々にはちょっと理解できない感覚です。
しかも、半値に暴落したカニを堪能した後もウクライナ支援を始める気配はありません。慰安婦問題では、官民挙げて日本批判を執拗かつ激しく批判し続ける韓国は、慰安婦問題は戦時おける女性の人権蹂躙あり、普遍的な問題だと繰り返し国際社会に訴えてきました。
であるならば、ロシア軍はウクライナに対してミサイル攻撃で人の命や町を破壊しているだけではなく、ウクライナの女性を次々と強姦し続けています。慰安婦問題を国際社会に訴え続けてきた韓国の立場からするならば、今眼前で行われている、ロシア兵によるウクライナ人女性への強姦は、厳しく非難されるべき、戦場おける女性の人権蹂躙の最たるものではないのですか。
韓国の慰安婦の方々は戦地で日本人兵士を相手に、かなりの高給を得て売春なさったわけです。その高給で慰安婦の方のみならず、その家族や一族の方々の生活も支えられていことは紛れもない事実ではありませんか。
その慰安婦の方々と今ロシア兵に無理やり強姦されているウクライナの女性と、どちらの人権蹂躙が、まさに人権蹂躙と批判されるべき対象であるかは、多言は無用です。
この事実を直視するならば、韓国政府や業者がロシア批判を全くしない中でも、慰安婦の方々やその支援者の方々はロシア批判をすべきなのではありませんか。というよりも、ロシアを批判せずにはおれないはずです。しかし韓国では、政府からも民間からも明確なロシア批判はほとんどありません。慰安婦関係者からも皆無。
韓国の対ロシア姿勢からも、韓国にとっては、慰安婦問題は単に日本を非難する手段、日本から延々と賠償金を巻き上げる手段でしかないのは明らかです。
伊次期大統領は日本が10億円拠出した日韓合意は公式の合意であるとの、文大統領よりも少しはまともな対応をしそうだとの印象を与える発言をしていますが、日韓双方で慰安婦の方々の尊厳を守る具体的な方策を考えたいとも語っています。
「慰安婦の尊厳」を口実に日本にお金をせびる魂胆であることは明らかです。韓国では、慰安婦を食い物にして私腹を肥やした支援団体のトップであった、国会議員でもある尹美香氏のみならず、国家挙げて慰安婦を食い物にしているというべきでしょう。
驚くべきことには、日本の、韓国の慰安婦を支援する団体は、不正が発覚した後にもかかわらず、尹美香氏本人ではないものの、尹美香氏の夫を講師に招いて、慰安婦支援の集会を開いています。 韓国の慰安婦支援者には、日韓双方ともに普遍的な正義は存在しないことが改めて浮き彫りになっています。
岸田政権は伊次期政権に対しては、文現政権とは違って日韓融和が図られるとの期待をもっているかもしれませんが、ゼレンスキー大統領の演説会には文大統領ともども伊次期大統領も欠席して、きわめて非礼な対応をとったことからも明らかなように、韓国の本質は政権が変わっても基本的にはほとんど変わりはありません。
ロシアのウクライナ侵略によって、図らずも韓国の本性もあらためて浮き彫りにされた感あり。岸田政権もこの点をしかと認識して事に当たっていただきたいと思います。
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なお、韓国からも義勇兵としてウクライナに渡り、ロシアと戦っている軍人たちがいることをたった今、知ったところです。(4/25 10:00)
ウクライナ無断入国のイ・グン元大尉、韓国外交部が告発 中央日報
在韓ウクライナ大使館「義勇軍に志願した韓国人は約100人」 ⓒ 中央日報/中央日報日本語版 22.03.0
日本人も大勢義勇軍に志願しています。こちらもたった今見つけたニュースです。
日本人も志願したウクライナ義勇兵 「ひとごとでない」 2022/3/11 18:00 産経WEST
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