前号事実は小説よりも奇なり 前編の後編を書く予定にしていましたが、統一地方選も始まっていますので、気になるいくつかの政治関連問題を取り上げることにしました。
1.統一教会と統一地方選
気になる問題の第一は、統一教会に対する岸田政権の姿勢です。先日、第5回目の質問権行使を実施しましたが、すでに指摘しましたように、統一教会問題隠しの手段でしかないのは明らか。
立民の質問に、岸田総理は地方議員と統一教会との関係遮断を考えると答えてはいますが、本気で遮断する気があるのであれば、質問権行使で国民を騙すのではなく、即解散命令を出すのが一番確実な方法です。
統一地方選直前に、悪影響を受ける議員も出てくるでしょうが、国民にとっては望ましい結果をもたらしてくれますので、選挙の前の解散命令は、国民の生命財産を守る最も確実な方法です。岸田総理はなぜ、統一教会を守護し続けるのでしょうか。
すでに選挙戦に突入していますが、自民党本部が地方議員候補者に対して、関係の有無を確認して、統一教会との関係を遮断せよと指令を出したとか、働きかけをしたとかのニュースは皆無です。遮断する気のないのは明白です。
日弁連が霊感悪徳宗教被害の調査結果を発表していますが、全被害のうち、統一教会被害が圧倒的多数を占めているという。
旧統一教会の被害「3高」が浮き彫り 金額、年齢、期間ともに突出、日弁連510件を分析
弁護士ドットコムニュース 2023年03月29日
**原文そのままの引用ではなく、要約的な引用)
分析したのは、2022年9月5日から2023年2月13日までに寄せられた相談1416件のうち、報告が完了した782件のうち、510件が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連。統一教会が圧倒している。
財産的被害額は1000万円以上が計204件と4割を占め、このうち5000万円未満が156件(30.6%)、1億円未満は22件(4.3%)、1億円以上は26件(5.1%)あった。
旧統一教会の被害「3高」が浮き彫り 金額、年齢、期間ともに突出、日弁連510件を分析
また、統一教会は、単に信者を騙して多額の献金を収奪しているだけではなく、統一教会を日本の「国教」にすることを狙っているという。つまり、日本の完全乗っ取りを狙っているということです。
統一教会の内部資料で判明。投票してはいけない800名の地方議員
国内2023.03.28 多田文明 MG2
統一地方選を前に、旧統一教会の元2世信者の方々が作成された地方議員と統一教会との関係をリストにしたデータベースです。マスコミは報道していませんが、参考にして議員を選びましょう。
議員データベース 知事、政令指定都市市長データ公開
’23/3/22 旧統一教会の元2世信者の方々作成
国会議員との関係については、共同通信の以下のデータを参照してください。
共同通信 全国会議員712人アンケート 旧統一教会と政治の関係
岸田政権が、質問権行使を煙幕に、統一教会批判をのらりくらりとかわしながら延命を図っていますので、有権者が直接審判を下すしかありません。
2.高市早苗問題
二つ目は高市早苗問題です。
安倍政権時代、高市氏が総務大臣だった折りに、政権による報道介入があったことを示す行政文書が明らかになり、大問題になっていますが、高市氏は捏造だと頭から否定しています。
しかし捏造ということであれば、何のために捏造したのかを問うべきです。安倍政権時代に捏造されたものなのか、安倍政権後の、岸田政権時に捏造されたものなのかによって、捏造の動機は変わってきます。
安倍政権時ならば、激しいマスコミ批判に晒されていた安倍総理を救済すべく、マスコミに圧力をかけようという内々の内部通達資料として、官僚が勝手に文書を捏造したことになります。
岸田政権時ならば、狙いは一つ。岸田総理にとっては、党内的には強力なライバルの一人でもある高市氏の失脚は、支持率低下などの多少の悪影響はあっても忌避すべき事態ではないはず。
という推測も可能ですが、岸田総理が危険を伴う、これほどの策略を行ったとは思えませんし、抑圧的な政治家は内心嫌だとは思っていても、官僚が文書を捏造してまで政治家を陥れる工作をするとは思えません。もしそうであるならば、政治家を陥れるような官僚組織を作り、容認してきた岸田政権を含む歴代政権の責任は重大です。
しかし、仮に正式な行政文書ではなかったにせよ、メモは事実だと思いますね。安倍総理は激しいマスコミ批判に晒され続けていましたので、マスコミを何とか抑えたいと思ったとしても不思議はありません。しかし報道規制は独裁国家の第一の特性です。
この問題は批判、反批判(擁護)入り交じっての騒動になっていますが、捏造というのであれば、公的文書を捏造するような官僚組織の実態を明らかにすることが先決ではないでしょうか。
とはいえ、この問題が提起した報道の公正さについては、もっと重大な事態が進行中です。にもかかわらず、この重大な事態については全く、あるいはほとんど報道されていません。
その筆頭は、維新の会の悪政については、マスコミがほとんど報道しないことです。維新を正面から批判するのは、れいわの議員ぐらいです。マスコミによる手厚い保護の下、維新は春の統一地方選挙でも躍進するはずです。
二つ目は、管前総理と統一教会との関係については、全マスコミが報道していません。統一教会自らが、管前総理との密なる関係をアピールしていたにもかかわらずです。
自民党が昨年実施した、統一教会との関係の有無についてのアンケート結果にも、管前総理の名前は出ていませんでした。本稿、冒頭付近でご紹介した共同通信のデータベースにも管氏は名前すら出ていません。
管前総理と統一教会との関係を指摘したのは、鈴木エイト氏のみです。この偏向と関係するのか、統一地方選挙が近づくにつれ、マスコミは統一教会に関するニュースをほとんど報道しなくなっています。
鈴木エイト氏「自民の菅HKTを追及せよ」統一教会の選挙協力を牽制 霊感弁護団集会
弁護士ドットコムニュース
先日、京都に移転した文化庁の開所式が実施され、都倉俊一長官がテープカットをしている様子が報道されていましたが、都倉長官は所管庁の長官でありながら、日本中に衝撃を与えた統一教会問題に関しては国民(マスコミ)に向かって説明の一言すらなく、完黙と姿を見せぬお籠もりを続けてきました。事件以来初めて国民の前に姿を現したのが、開所式でのテープカット。
しかし、統一教会問題を所管する部署の宗務課は東京に残るとのことで、統一教会や宗教問題では官僚任せ体制がさらに加速される格好です。余りにも異常ですが、誰もその異常さを指摘しないという異常さには言葉もありません。
都倉氏は管前総理に抜擢されましたので、両氏そろって統一教会シンパだったのでは?との疑惑をも招きかねない対応ですね。この点もマスコミに追求していただきたい。
統一教会問題のマスコミ対応や説明は永岡文科大臣が代理を務めていますが、統一教会を含む宗教関係は、組織としては文化庁の直轄です。文科省は上部組織とはいえ別組織ですので、永岡大臣は日常的に文化庁を管理監督しているわけではないはず。
つまり、文化庁宗務課は官僚天国だということです。統一教会が延々と悪事を重ねてきたにもかかわらず、文化庁が教会への解散命令を拒否し続けてきたのも、そのためだったのではないか。永岡大臣は、そんな官僚がまとめた文書をただ読んでいるだけではないのか。
宗教関係は文科省が直接管轄するのであれば、組織体制を変えるべきです。恣意的な組織運営は不正発生を許し、不正を助長させるだけ。これ以上、日本を不正天国にさせるな!と言いたい。
3.岸田政権の中韓対応について
先日、在日本中国大使の離任に際して、恒例になっている大使の離任挨拶を岸田政権が断ったとの報道がありました。儀礼的な挨拶まで断る必要があるのかと、大疑問を感じています。中国政府のやり方は問題だらけですが、儀礼的な挨拶の場を借りて、言ってもムダではあるものの、中国がロシアに武器を供与しないようにとか、尖閣諸島侵犯は違法であるとか、日本側の主張を伝える場として利用した方がよほど外交的には有効だったと思いますね。
大使の挨拶を断った2日後、在中の製薬会社の日本人がスパイ容疑で中国当局に拘束されました。この日本人社員は、もともと何らかの理由で中国当局に目をつけられていたのかもしれませんが、メンツを潰された中国政府による報復であるのは明らかです。加えて、外交交渉の手段として使おうとの魂胆であるのも明らか。
政府は、この日本人の一日も早い解放を実現する責任があるはずです。拘束理由は一切明らかにされず、法はあってなきがごとく、習主席や共産党が法そのものという中国相手では、交渉も難しいとは思いますが、政府の軽率な判断が招いた悲劇です。責任をもって解決していただきたい。中国で拘束されたとなると、恐怖そのものでしょうね。一日も早い解放を願っています。
次に韓国ですが、岸田総理は近々訪韓するとのこと、NHKニュースで知りました。この報道の解説役として東大の教授(名前は失念、男性)が出ていたのですが、教授は、この訪韓を成功させるためには、手ぶらではダメだと断定していました。例えば、岸田総理が韓国民に対して明確に謝罪するとか、韓国の要望に添った対応が必要だと語っているのを聞いて、暗然たる思いに襲われました。
尹(ユン)大統領ですら、日本はもう何回も謝っていると言ってるにもかかわらずです。いったいどこの国の大学教授なのかと問う前に、大学教授、しかも日本一の東大教授でありながら、事実を調べることもせずに、韓国の言い分をそのまま繰り返している、その異常すぎる知的怠慢に大ショックを受けています。これで東大教授なのか???
統一選挙戦直前ですので、気になる政治関連問題を書いた後、前号事実は小説よりも奇なり 前編の後編を書くつもりでしたが、政治関連問題だけで長くなってしまいましたので、後編は次回に回します。
なお、書籍のAmazon広告を掲載していましたが、1冊も売れていませんので削除しました。拙著も売れてませんが、アピールのため残しています。