ロシアというよりも、プーチン大統領のウクライナ攻撃は緩むどころか、残虐さの度合いが強まるばかり。これまで侵略者ロシアの言い分とそれでも世界は自由を選ぶにおいて、一方的なロシア批判からは少し距離をおいて、ロシアのウクライナ侵略を取り上げてきましたが、冷静な論評はほとんど役に立たない状況にまで立ち至っています。
帝国の亡霊と独裁
当初、ロシア側は、攻撃は軍事施設などに限定したものだと発表していましたが、初期においてさえこの基準は守られていなかったようですが、時が経つにつれ、攻撃対象は露骨に民間人へと移っています。そしてついに、避難途上の避難民にまで直接砲撃が加えられるほどに、ロシアの残虐さがむき出しになってきました。
避難のためにはこれまで何度か、避難民が安全に避難するためのルートを確保(停戦)する「人道回廊」の設定がウクライナとロシアの間で合意がなされたそうですが、ロシアが認める「人道回廊」と呼ばれる避難経路は、ロシアに入るルートか、手下になっているベラルーシに入るルートか、この二者択一しかないという。まさに「恐怖の回廊」。
よくもこれほど残忍きわまりない提案をしたものだと、背筋が凍ります。
さらには産科小児科病院まで空爆。ロシアの残忍非道さには底がない。今のロシアにとっては、残忍さ以外にアピールすべきモノは何も残っていないということなのだろうと思います。プーチン大統領は、残忍さを強さと勘違いしているのではないか。
ただNHKニュースによると、本日(3/12)は、世界中からの批判もあってか、ロシア以外のルートでの避難出国が認められたらしい。しかしロシアによるウクライナ攻撃の手は全く緩む気配はありません。
なぜこれほどまでにプーチン大統領は残忍になれるのか。病気になって、正常な判断ができなくなったという話まで出ていますが、病気ではなく、冷静に妄想を膨らませた結果ではないかと思います。
佐藤優氏は、プーチン大統領は、第二次大戦後のアメリカによる日本統治の手法をお手本にして、間接的なロシアによるウクライナ統治を実行する準備を着々と進めており、この目論見が達成されるまでウクライナを攻撃し続けるだろうとみています。
「『プーチンの精神状態は異常』という報道は、西側が情報戦で負けている証拠である」 相手の内在的論理がわからなければ、対抗手段もわからない
PRESIDENT Online 2022/03/07 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官
形の上では独立国家のようではあるものの、世界でも類を見ないほどのアメリカ隷従国家日本。この日本と同じようにウクライナ統治が可能になれば、ロシアにとっては言うことなしの最高成果!
ということで非常に不名誉ながら、今のロシアにとっては日本が格好のお手本になっているそうですが、日米開戦は、日本は嵌められたとの説もあるものの、日本が真珠湾攻撃をしたことがきっかけになったことは紛れもない事実です。
では今のロシア、ウクライナではどうか。ウクライナはNATOと軍事演習をしたり、アメリカ製のミサイル180基が国内配備されたものの、ロシアに向けて一発の弾丸も撃っていません。ウクライナ東部地区に事実上ロシア軍が常駐している状況からすると、アメリカ製ミサイルの配備は過剰防衛だとはいえません。
バイデン大統領はウクライナの憲法にまでNATO加盟を明記させるほどに、非常に強力にウクライナのNATO加盟を推し進めてきましたが、紛争状態を抱えたままのウクライナは未だ加盟条件は満たしておらず、加盟申請しても受理されていません。
ウクライナのNATO加盟は、あくまでも可能性の問題でしかありません。しかも仮にウクライナがNATOに加盟することになったとしても、ウクライナとしてはNATOの力を借りてロシアに侵攻しようとはつゆ考えたこともないはずです。逆に、ロシアの威圧、圧迫から自国を守るという、専守防衛が目的であることは明らかです。
侵略者ロシアの言い分でも書きましたように、冷戦終結後、ソ連はワルシャワ機構を廃止しましたが、西側はNATOを存続させただけではなく、どんどん東方拡大を続け、ロシアに脅威を与えてたきたとのロシア側の言い分にも目を向けてきました。
ところが、実はNATO拡大は、当初はアメリカが先導したものではなく、ソ連崩壊でやっと自由になった東欧諸国やソ連邦を形成していた国々が、NATOの存続と加盟とを申し入れてきたという。一時的な政体変化だけで、ソ連に対する警戒を解いてはダメだ。NATOを存続させて我々も加盟させてほしいとの強い要望があったという。
今現在、まさにその通りのロシアの暴虐が展開されているわけですが、外務省の条約局長、欧亜局長、駐オランダ大使などを歴任した東郷和彦氏の以下の記事には、NATO存続をめぐる経緯が詳しく書かれています。
「NATOに行くのは許さない」プーチン政権が異常なまでにウクライナに執着する悲しい理由 「ソ連」はもはや存在しないのに…
PRESIDENT Online 東郷 和彦 静岡県対外関係補佐官
ロシアのルーツはウクライナのキエフ公国にあるとのことで、ロシアにとってウクライナは単に国境を接する隣国であるだけではなく、ルーツを同じくする兄弟国だとのこと。いわば血を分けた兄弟国が、ロシアに敵対するNATOに入るのは絶対に許さないというのがロシアの主張
この理性を超えた強い情動がロシアのウクライナ侵攻の背後にあるようですが、実はロシアは、ウクライナ侵攻後数日で決着をつける、決着をつけることができると考えていたらしい。2022/2/26付けでロシアの国営通信は勝利を記念して「ロシアの攻勢と新世界の到来」という記事を準備していたらしく、その記事が一時WEBにウライング公開されていたという。
ところが決着はなかなかつかず、勝利は未だ来たらずとすぐさま削除されたらしい。しかし保存された記事が一部で閲覧されているという。以下は、評論家の山形浩生氏訳の記事全文です。
ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳
2022-03-02 山形浩生の「経済のトリセツ」
「目の前で新世界が生まれようとしている。ロシアのウクライナにおける軍事作戦は、新時代をもたらした」と記事は始まっています。この記事を読むと、1991年に解体したロシア(当時はソ連)の復活が、プーチン大統領とその周辺の人々にとっての悲願であることがひしひしと伝わってきます。
ロシアはその統一を回復しつつある——1991年の悲劇、我らが歴史上の恐るべき大災厄、その不自然な断絶は克服された。そう、多大なコストはかかり、さらに実質的な内戦という悲しい出来事を経てのことでもあった。というのも、ロシア軍とウクライナ軍に属することで隔てられていた兄弟たちが、いまなおお互いに撃ち合っているからだ。だがいまや反ロシアとしてのウクライナはもはや存在しない。ロシアはその歴史的な完全性を取り戻し、ロシア世界をまとめ、ロシアの人々を一体としている——その大ロシア人、ベラルーシ人、小ロシア人というすべてを。これを放棄していたなら、この一時的な分断が何世紀も続くのを容認していたら、先祖の記憶を裏切ることになるだけではなく、ロシアの大地の解体を許したことで、子孫たちに呪われることになるだろう。(訳注:小ロシアは、ロシア人によるウクライナの呼称/蔑称)
大ロシアのもとにベラルーシとウクライナが一つになる。これがロシアの描いていた夢であったようですが、これはロシアによる一方的な願望でしかなかったことは明白です。ロシアは、この夢実現には、ウクライナへの残虐非道な侵略も正当化されるという身勝手きわまりない論理で動いています。
「内戦」と書いているように、ロシアはウクライナを独立国とは認めていませんが、ロシアにとって真に必要なのはウクライナの土地であり、そこで暮らしているウクライナの人々は次々と虐殺されています。産科小児科病院まで破壊し、子供も、新しく生まれる命までをも容赦なく虐殺しています。
プーチン大統領は、なぜここまで冷酷非道になれるのか。ソ連解体で消えた帝国の復活がその冷酷さを支えているようですが、外部からの攻撃は皆無の中、ソ連がなぜ自壊し、連邦が崩壊したのか、プーチン大統領は冷静に考えたことはあるのでしょうか。
フライングされた幻の勝利宣言には、ソ連崩壊は「不自然な断絶」だったと書かれているように、必然だったとは全く考えていないようです。しかしソ連の崩壊は歴史的な必然でした。
独裁体制は、北朝鮮に象徴されるように、独裁者とその一族のために存続しています。国民は無条件でこの独裁体制を支えることを強要され、この強要に従わなければ、生存そのものが難しい。
規模こそ北朝鮮よりも大きいとはいえ、プーチン体制下のロシアも基本構造は全く同じです。中国も同様。言論弾圧、反対派への容赦ない弾圧・粛正。ウクライナでの冷酷無比の虐殺も、ロシアの意に従わない連中は容赦なく弾圧、殺すという国内政治の拡大版であり、全くためらいがないのも、プーチン統治の基本セオリーに依拠しているからです。
独裁を維持するためには、反対派は徹底的に潰す必要があります。ロシアのみならず中国や北朝鮮やミャンマーなど、独裁国家の統治手法はこの点では完全に一致しています。反対派が存在していては独裁は成立しませんので、当然すぎるセオリーではありますが、反対派の排除は、政治のみならず、あらゆる領域にも多大な影響を及ぼすことにあらためて注目すべきだろうと思います。
現在のロシアは、この問題を考える際の格好のテキストになりうるのではないか。
ソ連崩壊後の混乱したロシアでは、プーチン大統領の独裁的な統治手法は有効に働き、混乱の極みにあったロシアに統治機能の回復をもたらし、国情の安定化に成功しました。その成果ゆえにプーチン大統領は、長期に渡ってロシア国民の絶大な支持を獲得してきました。
時を経て、不正な手法も使い、高支持率、ひいては選挙結果をも操作したとの批判もあったものの、プーチン政権の土台を揺るがすまでには至りませんでした。しかし近年は、不正な操作をしても隠しきれないほどに、プーチン大統領の支持率が低下していたらしい。
ロシアのGDPは韓国以下
わたしはロシアについてはほとんど無知に近いですが、一連のウクライナ侵略報道で、ロシアのGDPは韓国よりも低いということを知って、びっくりしました。念のために調べてみると、以下のIMFの資料にあるように、確かにロシアは韓国のすぐ下に位置しています。
【2020年】
順位 国名 単位:百万US$
1 米国 20,893,750
2 中国 14,866,740
3 日本 5,045,100
4 ドイツ 3,843,340
5 イギリス 2,709,680
6 インド 2,660,240
7 フランス 2,624,420
8 イタリア 1,884,940
9 カナダ 1,644,040
10 韓国 1,638,260
11 ロシア 1,478,570
55 ウクライナ 155,300
77 ベラルーシ 60,201
GDPは、人口の多寡も影響します(アフリカや中東地域など反比例的な地域もありますが)ので、人口も調べてみました。以下は世銀の資料です。
【2020年】
順位 国名 単位:千人
1 中国 1,414,350
2 インド 1,378,600 1
3 米国 329,770
4 インドネシア 270,204
5 ブラジル 211,756 1
6 パキスタン 208,570
7 ナイジェリア 206,140 1
8 バングラデシュ 164,689
9 ロシア 146,171
10 メキシコ 127,792
11 日本 125,849
19 ドイツ 83,161
21 イギリス 67,081 1
22 フランス 65,124
23 イタリア 59,641
27 韓国 51,781
33 ウクライナ 44,135
96 ベラルーシ 9,410
ロシアの人口は韓国の3倍弱で、GDPは、ロシア1,478,570 百万ドル(約1兆4,790億ドル)、韓国は1,638,260百万ドル(約1兆6,380億ドル) 。
ロシアは世界有数のエネルギー資源産出国で、世界中に天然ガスやLNGを輸出しており、国の経済基盤を支える強力な資源を有しています。
またロシアの国土面積はダントツの1位、アメリカや中国の約2倍近い広さを誇り、この広大な国土を利活用するならば、何か新しい産業も生まれてきそうな気もしますが、そうした気配はほとんど伝わってきません。
エネルギー資源や国土といった天然資産以外にも、ロシアの若者は世界プログラミング大会では世界1位を獲得しており、人的資産にも恵まれています。にもかかわらず、ロシア企業がITやAI分野で目につくような活躍をしているとのニュースは見聞きしたことはありません。見聞きするのは、ロシアのハッカー集団の華々しい活躍ばかり。ちなみに韓国の若者は、こうした世界大会ではめぼしい結果は残していません。
つまりロシア政府=プーチン政権は、自国の若者が存分に能力を発揮することのできる、社会的基盤、経済的基盤をほとんど整備せずに、多くの若者をハッカー行為に走らせ、世界中に大迷惑をかけているわけです。
GDPが韓国以下であるのも無理からぬところですが、これも独裁がもたらす構造的欠陥に由来します。独裁者は、国全体の発展よりも、独裁者個人の利権、権益の拡大を最優先するからです。下記の記事は、オリガルヒという政権と癒着して財をなしたロシアの政商を通して、プーチン大統領ともども、国の富を私物化している様子が詳しく報告されています。
ロシアを食い荒らす「オリガルヒ」が、ウクライナ侵攻後もプーチンを支え続ける理由
仲野博文:ジャーナリスト 2022.3.12
ロシアのオルガリヒによる富の寡占化は米国以上だとのことですが、米国との最大の違いは、ロシアの大富豪(オルガリヒ)の大半は、全て国の支援や税金の横流しなどの、公的資産の私物化によって財を膨らませている点にあるという。
ロシアで新興企業として成功したのはロシア版SNSとロシア版EC事業者だけだという。しかもSNSはその特性から言論統制の対象になり、創業者はプーチン政権による弾圧を受けているという。政府自らが民間の経済活動を潰しているわけです。ロシアでは、能力があってもハッカーになるぐらいしか道はないというのも、あながち大げさではない状況です。
しかしプーチン大統領は、自らの独裁体制が、ロシアを自らの思い描く帝国からは遠ざけていることには全く思いが至らず、帝国の亡霊と現実のロシアとの深い乖離を他国侵略によって解消しようとしているわけです。目下のロシアにとって、世界にその優位性をアピールできるのは、軍事力、そのものというよりも、軍事力を冷酷無比に行使しうるその残忍さのみ。
プーチン大統領はその残忍さを遺憾なく発揮しているわけですが、残忍さがウクライナや周辺国のみならず、世界中の離反を招いていることにそろそろ気がついてもいいはずです。が、自分に忠誠を誓うか否かが政策の基軸になっている独裁体制下では、自らその座から降りざるをえない状況に陥るか、追放されるかという政変でも発生しないかぎり、残忍な独裁は延々と続きます。
ちなみに仲野博文氏の上記の記事によれば、ウクライナでも、オリガルヒ的な政業癒着による腐敗が蔓延していたという。記事の保存は忘れましたが、佐藤優氏もウクライナでの政治腐敗を指摘していました。政治腐敗の批判を受けて、ゼンレンスキー大統領の支持率は30%ぐらいにまで下がっていたという。
ウクライナでは前政権でも腐敗批判が噴出し、腐敗からの脱却を掲げて当選したゼンレンスキー大統領でも改善は難しかったのか。ソ連時代から受け継がれてき政業癒着の悪弊の伝統は、ウクライナ経済の低迷の最大の原因だと思われます。
人口4414万人のクライナのGDPは1554億ドル。人口941万人のベラルーシのGDPは602億ドル。現状のまま、この両国をロシアの版図に組み入れても、人口は増えるものの、GDPはほとんど増えないはず。むしろウクライナでは激減しそうです。
しかしゼンレンスキー大統領は、ロシア侵攻を受けて、命を張ってウクライナ防衛の指揮を執っています。容赦なく空爆を続けるロシア軍に対抗するため、ウクライナ政府はEUに対して飛行禁止区域の設定を繰り返し要請していますが、巻き込まれることになるのでEUは拒否しています。
確かにEUが関与を始めると、ロシアはさらに残忍度を強め、見境無くEU各国にも攻撃を拡大してくるはずですので、EUでも犠牲者が出るのは避けがたいとは思いますが、あの小国のウクライナは自力でロシアの攻撃に必死で応戦しています。
特にアメリカはロシアのウクライナ侵攻を誘導したというその責任上からも、犠牲を払ってでも、もっと直接的な軍事関与をすべきではないかと思います。アメリカが参戦すれば、ロシアは最悪、破滅覚悟で核兵器を使用する可能性もありえますが、アメリカがその総力を駆使するならば、そうした最悪の事態に至る前に、ロシアをたたきつぶすことは可能なのではないか。
アメリカが直接関与しない以上、EUが関与せずに身を引くのは当然です。経済制裁もロシアに大打撃になるとはいえ、目前のウクライナの人々の虐殺を座視することが許されるのでしょうか。
自らの手は直接汚さぬまま、安全地帯から武器の供与や論評を加えるアメリカの対応は無責任ではありませんか。あるいはウクライナ軍だけでロシア軍を撃退することは可能だと考えているのでしょうか。だとしても、ウクライナ軍にも多数の犠牲者が出ています。
もしもこの戦闘でウクライナがロシアからの完全独立を勝ち取れば、多数の犠牲者の命も無駄にはならないわけですが、ロシアが自らの不条理極まりない身勝手な要求を放棄するかどうか。この戦闘で敗北すれば、ロシアは否応もなくウクライナの独立を認めざるをえなくなりますが、そのためには、犠牲を伴うとはいえ、ウクライナ軍の徹底抗戦は不可避です。
なお、日本政府はロシアによるウクライナ侵攻に関しては1月末には確実な情報を入手し、ウクライナ在住の日本人に帰国を促す通知を出していたという。RKB毎日ラジオの櫻井浩二インサイトで、ウクライナの劇場に所属していた日本人女性のバレーダンサー(名前は失念)が、この警告に従い、1月末に帰国したものの、PCR検査で陽性になり、ホテルで隔離後、2月5日に自宅に帰ったと話していました。
またこのダンサーは、ウクライナでは、東部ドネツク州のすぐ隣の町(こちらも名前は失念)に住んでいたそうですが、今回のロシアの侵攻が始まるまでは非常に平穏な様子だったという。プーチン大統領の言うような虐殺などなかった可能性の方が高いのではないか。
一方、留学生などの在露日本人の待避や帰国対応は遅れています。政府は、ロシアがまさかここまで凶暴化するとは全く想定していなかったのだろうと思います。今、自衛隊機をロシアに飛ばすと撃墜されかねませんし、民間機ではさらに危険。在露日本人の避難は、安全な地域を経由するという迂回路を使わざるをえない状況です。政府は、帰国希望者全員が安全に帰国できるよう、全面支援すべきです。
なお、野党は国会審議の中で、ロシアに停戦を働きかけるために、プーチン大統領と個人的に親しいという安倍元総理を特使として派遣するように岸田総理に提言していましたが、この厳しい状況下では安倍元総理にはそんな重大な任務が務まるとは思えません。そもそもご本人が引き受けないはずです。
安倍元総理がご自身のふるさとにまで招いて、「ウラジーミル」と親愛の情をこめて繰り返し呼びかけたウラジーミルさんは、もはやどこにもいませんよ。というよりも、ウラジーミルさんは変わらぬ姿で存在しているというべきだろうと思います。
安倍元総理にかぎらず、野党も含めて、日本の政治家は世界の政治の冷徹さに対しては余りにもナイーブすぎます。
ブログの英語版が勝手に登場?
なお、当ブログに関して、わたしの関知しない不明な英語版サイトが無断で発信されているのではないかとの疑惑を抱く現象に遭遇しています。というのは、WPから読むデジタル化の罠には非常にたくさんの英語のコメントが寄せられているからです。
余りにも数が多いので詳しくは見ていませんが、ざっと見たところ、わたしのブログやデザインなどに対して概ね好意的な評価が書かれていましたので、よほど見当外れな内容や広告のためのコメント以外は表示を許可しました。
しかしその後もコメントは続々と続きます。余りの数の多さに不審を抱き、表示を承認せずに保留にしています。公開後すぐさま大量のコメントが寄せられた時点で不審に思うべきだったかもしれませんが、ざっと見たところ、外観の珍しさから目に止まったような印象のコメントもあり、外観なら文章の意味が不明でも、あるいは、Googleの機械翻訳でも内容もそこそこ伝わったのかもしれないとも考え、余り強い不審は感じませんでした。
しかし不思議なことには、侵略者ロシアの言い分には、コメントはゼロ。このブログも目下世界中の人々が注視しているロシアのウクライナ侵攻を取り上げているにもかかわらず、コメントゼロは余りにも不自然ですが、国内外のマスコミがほとんど報道しなかった韓国の高速列車の大欠陥事故を動画で紹介しています。
実は、突如英語のコメントが大量に投稿され始めたのは、ブラウザとWPの裏側からでした。英語などの外国語の大量コメントは、葦の葉ブログ2rdでは半ば常態化していました。その大半は薬関係やネットツール関係の宣伝コメントばかり。大半が英語でしたが、ロシア語やアラビア語までありました。いちいち確認するのも大変な手間でしたので、データベースからコメント欄を削除しました。
この前例があったので、新しい葦の葉ブログでも投稿が始まった大量の英語コメントも、同じような広告用のコメントだと思い、中身は確認せずに、コメントだけをデータベースから削除しました。ところが、その次のブログWPから読むデジタル化の罠にも大量の英語コメント。
ちょっと気になって、削除する前に2,3コメントに目を通したところ、広告用コメントではなく、当ブログに関する感想めいたものばかり。以前のコメントとはちょっと違うようだと思い、Google翻訳で読んだところ、かなり好意的な感想が多いことに驚きました。
どのプラットフォームを使って作成しているのかとの質問もあり、WordpressのyStandardというテーマを使っていると返信したり、当ブログの購読申し込み窓口がないのかとのお尋ねまでありましたので、更新をお知らせするRSS設置場所を増やしたり、日本語表記とはいえ、Push7発行の「購読」ボタンも設置しました。
非常にありがたい指摘をいただきましたが、feedlyという世界的に有名な更新ボタンはなぜか、当ブログのURLが正しく表示されず、やむなく使用は断念しています。
しかしその後も続く英語コメントに、日本語サイトにこれほど大量のコメントが来るだろうかとの疑問が芽生え始めた頃に、侵略者ロシアの言い分にはコメントはゼロの不可解さに遭遇。再帰版「葦の葉ブログ」の発足を伝える「葦の葉ブログ」に再帰にもコメントはゼロ。
そこで、ひょっとして当ブログの英語版が、無断で公開されているのではないかとの疑念が生まれました。
英語版ならば、英語版発信者には都合の悪い記事は公開しないという選択は可能になります。「葦の葉ブログ」に再帰にコメントがなかったのも、この記事も英訳されなかったからだろうと判断しています。
ニセの英語版サイトは直接は確認していませんが、これまでの執拗きわまりない当サイトへのパラサイトぶりからするならば、十分にありうるだろうと思い、当サイトの正規の英語版を発行しようと思い立ち、あれこれ試行錯誤しておりました。
数日を経て、灯台もと暗しというべきか、Google翻訳機能が簡単に設置できて、即英語に翻訳してくれることを発見。さっそく設置しました。サイトの右上部に、オレンジ色の「translate」ボタンが表示されています。
ただ、アイキャッチ画像に入っている日本語のタイトルは、当然のことながら翻訳されません。しかし、元の原文は日本語であることの印としてそのままにして、英語版の画像は作らないことにしました。
記事・画像:久本福子