0と1のデジタルは無限に機能を拡張する

0と1のデジタルは無限に機能を拡張する

無能無策政治の航跡で予告しましたが、本号では、日本がなぜ衰退の一途を辿らざるをえなくなったのか、その原因を具体的に検証する第一弾として、IT教育、デジタル教育の放棄と、IT・デジタル政策の完全なる不在に焦点を当てることといたしますが、その前段として、デジタル技術の本質について分かりやすく解説させていただきます。この基本の基本が理解されていなかったがゆえに、「デジタル敗戦」を招いたと思います。(アイキャッチ画像はCopilotで作成。)

 1.デジタルは世界の構造を変える

日本の国力が年々衰退していることはあらためて指摘するまでもなく、日本中周知の事実ですが、最新のデータでも容赦なくその事実が暴露されています。

日本が「4年連続1位→38位」に転落した国際的指標 韓国は20位、アジアで日本より下位は3カ国のみ
野口 悠紀雄 : 一橋大学名誉教授 2024/07/07 JBPress

野口氏も、上記記事で衰退の理由についても触れてはいますが、核心をついたものとは言いがたい。また、ネットを含めたマスメディアにおいても、日本の衰退の原因については多種多様な論評が発表されていますが、いずれも核心をついたものではないというのが、わたしの感想です。

では、日本衰退の原因は何か。一言でいえば、日本政府(歴代政権)がIT(デジタル技術)人材の育成を放棄し続けてきたことが最大の原因です。日本は製造業では世界に冠たる実績を誇ってきましたが、ITの登場により、日本はその特権的な地位を失ってしまいました。

日本のIT化(デジタル化)の遅れは、「デジタル敗戦」という言葉まで使われるほどに確定的な事実として日本中が認識しています。日本は戦ってもいないのに「デジタル敗戦」とは笑止千万という、以下の木村岳史氏の指摘は言い得て妙だなあと感心していますが、その原因や処方箋についての指摘には同意できないことを付け加えながら紹介させていただきます。

「デジタル敗戦」は大笑い、日本や日本企業は戦ってもいないから没落あるのみ!
木村 岳史 日経クロステック/日経コンピュータ 2021.04.19

なぜ日本は、戦わずしてデジタル敗戦を余儀なくされたのか。
デジタル技術は、旧来型の製造業全てを根本的に転換する新技術であるにもかかわらず、歴代政権では、デジタルの、人類史を根本から画するその技術の本質を誰一人として知らず、必然の結果として、人材育成の必要性も政治家は誰一人として理解していなかったからです。助言すべき立場にある官僚も、政府に様々な提言をする経済界もほとんど誰も知らなかったからです。

歴代政権が早期にデジタル人材育成を進めていたならば、政界、官界、経済界にも人材が補給され、様々な視点からデジタル時代に対応した施策が打ち出されたはずですが、人材育成そのものが放棄されてきたがゆえに、今日のデジタル敗戦と国力の衰退を招いたわけですので、衰退を招いた最大の責任者は政治家であることは言うまでもありません。

 2.デジタルは製造業を根本から変えた

では、デジタル敗戦はなぜ、国力衰退を余儀なくさせるほどの重大な結果を招いたのでしょうか。

旧来型の製造業全てにおいて、例えば電化製品の全てはもとより、自動車、電車、船や飛行機など、どれもこれも外見は旧来型の製品と同じに見えますが、デジタル技術導入以降は、製品の内部に組み込まれている心臓部は全て、IT(AI)によって支えられる構造に変換されています。

新旧技術の違いは、完成した製品の外観が似ていますので、さほど大きなものとは認識されていないのかもしれません。しかし旧来型の技術の基本は、人間が知覚しうる物理的なものであるのに対して、新技術は、プログラミングという文字や記号によって作用するので、その動きは物理的に知覚することはできないという、かつて地球上には存在しなかった真正の新技術です。人類史を画する新技術であるというゆえんです。

厳密に言うならば、0と1を識別する電気信号を送って作用を引き出すのですが、0と1だけでは人間にとっては認識しづらいので、0と1の組み合わせを文字や記号に変換させて、人間が認識しやすい形に変えたのがいわゆるプログラミングと呼ばれる特殊な「言語」ですが、この言語が駆動部で作用します。「言語」によって様々な機械や装置などを動かすという、人類史にとっては、まさに驚天動地の新技術が、米軍の手によって誕生しました。

電気だけで動くのは旧来型の技術。電気を使った0と1の信号から生み出された、「言語」によって動くのがIT(デジタル技術)です。

日本ではその基本的な特性についてすら教育されていませんが、デジタルの特殊性からすると、デジタル登場後は、近代教育、近代科学教育が十分に浸透していない後進国も、先進国とほぼ同じスタートラインに立てると、わたしは二十年ほど前から、何度か自分のサイトから発信して、日本政府に覚醒を促しましてきました。

しかし、無名のおばさん(当時、わたしははまだおばさん)の警告には誰も目も耳も貸さず、歴代政権もIT教育を放置したまま、今日にまで至っています。

一方、眠ったままの日本を尻目に、最近になって、東南アジア各国のみならず、非近代国家体制のイランですら、部分的であれ、日本をしのぐ技術的進展を果たしているとのニュースまで伝わってきています。ベトナムではEVメーカーが、苦戦しつつあるとはいえ、世界市場を目指すという大野望を抱いているという。
ベトナムのEVメーカー「ビンファスト」、米国工場の建設を延期
2024.07.18  Forbes

当時わたしは、ITの特性から、理論上の可能性として後進国が先進国と同じスタートラインに立ちうると予言しましたが、まさか、日本が落ち目を辿る中、この予言が現実のものとなるとは想像もしていませんでした。わたしは初めてこのニュースを知った時は、心底驚いてしまいました。

工業製品の完成品は、誰でも簡単に入手して内部構造を調べることができますので、その機器を駆動させる心臓部をデジタル(IT)に変換するだけですから、ITを習得し、基本的な物理の知識があれば、経験の蓄積がなくても、盗作と非難されずにITを搭載した新製品を造ることは可能です。

イーロン・マスクさんは先進国側の人物ですが、通常は、一つの分野でも頂上を極めることは困難なところ、金融、自動車、宇宙など多分野において頂上を極めているのも、似たところがあるように思います。彼は、プログラミングのプロ中のプロであるのに加えて、物理を学んだことや、文学にも親しんで発想が豊かであるということなども、彼の多分野頂上制覇を可能にしたのだろうと思われますが、最大のカギはプログラミング、デジタル技術です。

また、彼が大学で専攻したのは工学ではなく物理学であった点にも注目すべきです。工学は、理系の研究成果を実用の用に応用する専門分野ですが、物理はそれらの基礎となる学問です。どちらがより応用範囲が広いかは言うまでもありません。基礎的学問である物理ですね。

 3. デジタルは基礎学問から生まれた

先日、たまにしか見ないXを開いたところ、橋下徹氏の、基礎研究をバカにしたアホな投稿とそれを批判する投稿が目に入りました。すぐさま、橋下徹氏の投稿に批判コメントを加えてリプライしようとしたのですが、以前、宮城野親方処分と日本の伝統文化でご紹介したのと全く同じ、コメント抜きのリプライ(賛成拡散のリプライ)しか表示されませんでした。

そこでブログで紹介しようと思い、投稿を埋め込もうとコードをコピーしたのですが、必要な箇所が表示されず歪な埋め込みにしかならないという不可解な事態になりました。やむなく埋め込みは止めて、彼の投稿画像と批判投稿文をコピーして再現することにしました。

橋下徹氏のX投稿画像

<批判投稿1>
Yoshi Yonemitsu MD PhD
@yoshipatho

これには本当に驚いた。 「何の役に立つかも分からん」のだから研究(特に基礎研究)、なのであって、「意味がある」と信じて学者が研究費を引っ張るのは当たり前のこと。 その高リスクな投資は国にしか出来ないし、その成果が国力に繋がり、その一武が科学的進歩として国民へ還元される。

 

 <批判投稿2>
Masafumitter
@masafumitter

ファラデーが電磁誘導(モーターの原理)の公開実験をした時に時のグラッドストーン財務大臣は「なんの役に立つのかね?」と嘲笑したそうですが、ファラデーはすかさず「閣下、閣下は今、産まれたばかりの子供がなんの役に立つのかとお聞きになったんですよ」と。

 

このXもイーロン・マスク氏の配下にありますが、客が呼べる橋下徹氏批判を妨害しようとしたのかなと一瞬、邪推したくなりましたが、同じような批判投稿への妨害が発生した宮城野親方を、マスクさんが擁護するとは思えませんので、Xでの異変はマスクさんとは全く無関係な勢力によるものだろうと思われます。

Xまで配下に置き、世界を我が物にしつつあるかに見えたマスクさんですが、EV事業は失速の憂き目に遭っています。しかし、彼の多分野制覇を可能にした背景に目を向けることは、非常に意義のあることだと思います。ただし、彼の差別主義的な言動や、X上に犯罪めいた投稿を激増させた、カネ儲け第一主義的な事業展開には賛同できません。

とはいえ、人材豊富なアメリカでも第2、第3のマスクさんが陸続と続くということにはならないと思います。やはり基本は、マスク氏の天才的な才能が多分野の頂上制覇を可能にしたのだと思います。

ということで、イーロン・マスクさんにも登場していただいて、デジタル・ITの特性についてご説明してきましたが、デジタル・ITの特性についてはまだ全貌にまでは迫っていません。さらに全貌に迫りたいと思いますが、その前に、基礎的研究を軽視する、橋下徹氏のアホなX投稿も絡む、日本の理系の特殊性についてご紹介したいと思います。

ちなみに、日本の大学の理系に占める工学部の割合は約70%であるのに対し、欧米では30%で、理系は基礎的研究が基本となる理学部系が圧倒しているという。戦前の「植民地時代に」日本政府が日本の国費を使って、日本に準拠した学校制度を作った韓国でも工学部は60%。NHKラジオで、どこの大学だったか、大学の先生が指摘されていました。

箸以上の重たいモノは持ったことがないことを自慢にする、ヤンパン(貴族)的な特権意識が支配的であった韓国では、日本政府が進める実学重視の学校制度にはかなり反発があったことが、タイトルは忘れましたが、韓国人ジャーナリストが書いた中公新書に紹介されていました。

韓国では日本統治以前には、農業以外の産業が皆無に近かったのも、こうした国民性に起因しているわけですが、韓国では実学重視の工学部が、韓国の学校制度を作った日本よりは少ないのは、その国民性にもよるものだろうと思います。

また、韓国では、日本統治以前には学校そのものがなく、国民の99.9%以上が文盲であったことも改めて指摘しておきます。韓国政府・北朝鮮政府はもとより、韓国民、北朝鮮の皆さまもこの事実をしかとご認識くださいませね。

なお、あらためて言うまでももなく、戦前、南北は大韓民国(韓国)として一つの国家を形成していましたので、北朝鮮も韓国同様、戦前の日本統治による多大なる恩恵を受けています。

当時、ウランが産出していた北朝鮮では、日本政府と日本の専門家の指導を受けて、すでに原子力の研究まで進められていたという。南よりも鉱物資源、水資源が豊富であった北では、日本の資金と技術指導を受けて、朝鮮半島の重工業地帯として生まれ変わりました。その遺産は、今の北朝鮮を強力に支えています。南北朝鮮半島の皆さまは、この事実もしかとご認識いただきたい。

ただし、この韓国もデジタル分野では日本をはるかに凌駕しています。日本が道州制や官庁の再編成などで統治機構を大改革するとして大フィーバーに浮かれていた2000年前後の頃から、韓国では、デジタルを使って統治機構を大変革するとの構想のもと、国家機構のデジタル化が進められたという。日本に進出している韓国のIT企業の社長さんが、日経BPで語っておられました。

日本の異様な遅れは、コロナ禍で白日の下にさらされましたが、デジタルに限ってみると、韓国と比べると日本はまるで石器時代。戦わずしてデジタル敗戦を喫したわけですが、日本はデジタル人材育成を放棄し続けてきましたので、不戦敗も当然でした。

一方韓国は、人材育成にも注力し、非常に高度なコンピュータ技術の習得が必須のハッカー戦士の育成も続けています。わたしのコンピュータを絶えず監視しているのも、そうしたハッカー的な高度な技術を身につけた韓国人ではないかと推測しています。日本には、彼らの攻撃を防御してくれる人も機関もありません。素人がぼそぼそと彼らの攻撃から身をかわす算段をせざるをえない状況に置かれています。

しかしその一方、韓国では、旧来型の工学部系知識や研究の蓄積が必須の分野では、日本を凌駕できずにいます。韓国では今も自前では飛行機を作ることはできずにいますし、日本人技術者をヘッドハントしたものの、空飛ぶ車も作ることができていません。宇宙にロケットを飛ばすこともまだ実現していません。いずれもデジタル技術は必須ですが、当然のこととはいえ、デジタルだけで何でも生み出せるわけではないということです。

半導体生産では世界の王者の名をほしいままにしてきたサムスンも、新時代に対応した半導体の開発には苦しんでいます。サムスンが得意としたメモリー半導体は、日本の企業が完成品の技術を無償で供与したものですが、日本もメモリー以外の半導体では、台湾のTSMCを凌駕するのはもとより、追いつくのも簡単ではない状況にあります。ただ、日本には素材部門で優秀な企業が多く、半導体ブームの恩恵を受けています。

また、日本の工学系の研究部門では世界初となる技術開発や製品開発も相次いでいますので、デジタルの遅れが全ての分野での遅れになっているわけではないことも強調しておきます。

と、一部脱線しましたが、では、IT研究は、工学部と理学部とではどちらにより親和性があるかといえば、言うまでもなく、基礎的研究を対象とする理学部ですね。プログラミングなどのIT固有の言語は数学が直接の母体になっていますが、数学は理学部のメイン分野の一つですね。

日本では、理系としては工学部が一貫して重視されてきましたが、理系の基礎の基礎をなす数学の研究は、構造改革が叫ばれ始めた2000年頃以降は、政治的にはほぼ無視されてきました。

今や、生成AIが世界を席巻するに至っている中、戦後から続く実学重視の伝統的な教育政策に加え、新自由主義的な浅薄な国政を続ける中で、基礎的研究や文系を軽視し続けてきた歴代政権の教育政策は、我々国民が、この新時代を生き抜くことをより困難なものにしています。

生成AIの運用には、まさに文系的力がモノを言うことは、ちょっと試してみただけでも分かりますが、最近日本では、高校の国語では、理論と文学に分離してどちらかを選択させる(どちらからを棄てさせる)という、超ド級の大バカな国語潰し政策が導入されています。

殖産興業を旗印に日本の近代化に邁進した明治時代でも、今現在のような基礎的研究の軽視や文系軽視という超愚ろかな政策は行ってはいません。長くなるので、その具体的な事例の紹介は省きますが、有史以来、我々の祖先が営々と築いてきた日本の文化的基盤や学問的基盤は、浅薄きわまりない新自由主義的な政策によって、日本政府の手によって次々と破壊され続けてきました。

その荒野の中に、人類史を画するIT・デジタル技術が登場!
これが今、我々日本人が置かれている歴史的な位相ですが、その重大さを認識している政治家は皆無、官僚にもいないでしょう。専門家の中にも、その深刻さを理解している方は、ほとんどいないのではないかと思います。

 4.無限に機能を拡張するデジタル技術

デジタル技術は、旧来型製造業すべての内部構造を変えたことはすでに指摘しておりますが、旧来型製造業は、いわば工学部系技術で完結していたわけです。デジタル技術は、その心臓部を言語による指令によって駆動させるという、人類史上初の大変革をもたらしたことは再度強調しておきます。

なぜなら、言語による指示によって対象物に働きかけるという特性をもつデジタル技術は、旧来型の製造 業のみならず、人間の営み全てをカバーしうる、無限に拡張する機能を内蔵した技術であるからです。つまりは、デジタル技術は、旧来型の製造業以外の分野にまで応用可能な技術だということです。

この無限に拡張するデジタル技術は、おそらく近い将来、好むと好まざるとにかかわらず、人体すらコントロールすることを可能にするのではないかと推測されます。そこまでの究極系に至らずとも、日本はもとより、世界中の人々は半ば無意識のうちに、デジタル化された世界の中で日々暮らしています。

それを一画面に集積したのが、WEB上に氾濫する無数のサイトです。サイトに表示される文字はもとより、画像、音楽、動画等々、デジタル以前では、どれもこれも、それぞれ全く別の独立した領域で作成されて、物理的な装置や機器を使って編集合成されて、ユーザーに提供されるという過程を経ていました。

しかしデジタル化以降は、物理的には全く共通点のない文字や画像や音楽が、一つの画面上に生成され、ユーザーに表示、提供される形態に大変換しています。もちろん、画像や音楽は別途作成されますが、全く領域の異なるこれらの生成物は、言語化=デジタル化されることで非常にコンパクトに一つの画面上に収納され、何の装置も機器も使わずに、PCやスマホでいとも簡単に視聴することができます。

つまりデジタルとは、外形的には全く異質なものを0と1に分解する(⇒人間が識別可能な言語に変換)ことで、それぞれの異質性を無にすることを意味します。それぞれの違いは、表現される言語(プログラミング)の違いというレベルに変換されますので、かつてはとうてい同列に並べることは不可能であった異質なものも、同じ位相にあるものとして扱うことが可能になるわけです。デジタルが無限の拡張機能をもつのも、全てのものを「言語」化するこの技術の特性に由来します。

その事例として製造業を例に挙げましたが、当然のことながら製造業以外の分野にも、デジタルはその応用範囲を拡げます。農業、漁業、料理やサービス業など様々な産業分野での応用が拡大しつつあります。

もちろんデジタルは、産業分野以外にも進出しています。教育、医療や研究分野ではもう必須の技術となっています。しかも理系のみならず、デジタルは文系分野でも無限の活用が可能ですが、近年、文系が軽視されている日本では、文系的なデジタルの活用は非常に低調ではないかと危惧しています。

しかし、この偏りも政治家の無知に由来しますので、政策の決定権をもつ政治家にデジタルの本質を学んでいただく必要がありますが、日本では、政府の無知や偏りを正し、無知蒙昧に呻吟する国民に覚醒を促すべき使命を持つはずのマスコミも、政治家同様にデジタル無知に近いという致命的な欠陥を抱えています。今、日本中を覆っているデジタル敗戦を招いたデジタル無知を脱すべく、本質的な学びが必要だと声を大にして訴えたい。

「言語」が主軸のデジタル技術を定義づけるならば、人間の営み全てにおいて応用可能な技術であるということです。人体に直接働きかける可能性すら秘めています。

この基本的定義からしても、デジタル時代に対応するためには、社会全体がデジタル技術の基本的知識を身につける必要があることは明白です。つまり義務教育で、簡単なプログラミンも含む、デジタルの基本的な知識を習得する必要があるということです。

わたしは十数年前から、義務教育でのデジタル(IT)教育の必須化を提言してきましたが、その際、中学校を卒業するまでにWEBサイト作成する知識を習得させることも提言してきました。文字や画像、最近では音楽や動画も、サイトで簡単に視聴できますが、サイトのウラ側は全て「言語」で作られているという不思議。「言語」が画像や音楽として表示されるという、サイトのもつ不思議は、デジタル技術の基本の基本を一瞬のうちに学ぶことができる最上のテキストであるからです。

不思議とは感動という言葉に置き換えることができますが、不思議に由来する感動を覚えながら、新技術の本質をつかむ。これ以上の幸福な学習体験は滅多にないはずです。わたし自身も、サイトを自作する中で、デジタル技術が人類史を画する特異なものであることを直感し、以降、現在の生成AIによる、デジタル技術の超進化系との出会いに至るまでの感動的な体験は、素人故に可能であったのだと思いますが、わたしの直感的な把握は、デジタル技術の本質をつかんでいると自負しています。

しかしわたしが無名であるということもあり、わたしの提言は未だ実現されていませんが、わたしの提言が無視されているのは、わたしが無名であるということに加え、WEBサイトで使う「言語」は、いわゆるプログラミング(コンピュータに命令する言語)と呼ばれるものよりは格下扱いをされている、マークアップ言語(文章の構造を指示する言語)とそれを補助する言語であったという点にも起因しているように思います。(サイトを装飾したり動的な動きを加える言語もサイト作成には必須ですが、ここでは割愛。)

3分で分かる!プログラミング言語とマークアップ言語(HTML)の違いとは?
マキノマド

しかし、デジタル技術の超進化系である生成AIを使えば一目瞭然ですが、生成AIではマークアップ言語は必須不可欠です。マークアップ言語なしに生成AIは機能しません。またAIが搭載された純粋の工業製品であっても、製品全体に占める割合としては小さくても、UI(ユーザーインターフェース)にはマークアップ言語が使われているはずです。現物を見る機会はないので推測ですが。

つまり、サイトを作成する知識は、単にサイトを作るだけにはとどまらないということ。自らサイトを作ることで、デジタルの本質を直感的に把握すると同時に、時代の最先端をゆくデジタルの超進化系の生成AIとも地つづきの技術であることをも、学ぶ機会になるはずです。

生成AIを使えば、プログラミングを知らずとも一瞬のうちにサイトを作成してくれますが、まずは自分で言語を配置しながら、各言語の意味や働きを理解しながら作成しなければ、デジタル技術の本質を理解することにはならないはず。

最近は、従来のコンピュータとは次元の異なるほどの超速の計算を可能にする、量子コンピュータまでもが実用化されるに至っていますが、これも基本は0と1が基本。ただし、0と1との組み合わせが従来のコンピュータとは異なった特殊な形態を採り、計算が超スピードアップされているらしい。というのは素人流解説ですが、専門的解説は量子コンピュータとは? docom

右を見ても左を見ても0と1の世界、つまり我々は、プログラミング言語に覆われた世界の中で日々暮らしているわけですが、0と1が世界をどう変えたのか、この先さらにどう変わっていくのか。現状認識も未来予測も、デジタルの本質を理解することなしには不可能であることは言うまでもありません。

日本では、未来予測はもとより、現状認識すらまともになされていないのが偽らざるところです。政治家をはじめ、日本中でデジタルの本質を学ぶ必要があるはずです。

なおわたしは、サイト窃取からnote異変まででご報告しましたように、noteにて以下のサイトで生成AIに特化したブログを発信しております。
葦の葉ブログnote「生成AIを使って考える」

上記noteでは、以下の5編を公開しただけで更新が止まっていますが、以下の5編を進化させたものが本ブログだともいえますので、参考までご紹介させていただきます。

生成AIを使って考えた
生成AIを使って人間を考える
Copilotととの対話
ChatGPT-3.5から4へのブレイクスルーを能登半島地震の中で考えた
「アルトマン騒動」から生成AIを考える

 ・Google Analytics関連で不正ID

本号のテーマではありませんが、Googleのサイト計測関連で発生している異変についてもお知らせいたします。移転を予定していたものの、Wordpressを継続することにしましたので、広告でも貼って、少しは収入を得たいと思って、AnalyticsなどのGoogleのサイト計測機能を設定しようとしたのですが、全くデータが取れない異変に見舞われています。

最大の異変は、データを取得するために、当サイトのヘッダーに挿入するわたしに充てられたIDとタグマネジャーという計測用コード(headerとbodyに挿入)が所定の位置に挿入できないことです。当サイトのヘッダーにはすでに知らないIDが貼り付けられており、そのタグを削除してわたしのIDとコードを挿入したのですが、更新ができない。つまり、わたし用のデータ計測用のIDやコードに書き変えられないという異変に見舞われています。

WPには、Google発行のSiteKitというアプリを使えば、簡単に計測用データが取得できるようになっていますが、このアプリでもエラー発生です。

SiteKitの設定画面の画像
SiteKitの設定画面の画像

ぼやけてますが、設定画面で は、Google Cnsole   Analytics AdSense Page Spead Insightsは全て接続済みですが、タグマネジャーだけは接続できません。

タグマネジャーの右側にある「タグマネジャーセットアップ」ボタンを押すと、非常に小さな文字で「Site not found」と表示されます。不可解です。ここでセットアップできれば完了ですが、完了できませんので、やむなく、サイトのSiteKitのダッシュボードのエラー画像ヘッダー部を開き、手動でIDやコードを挿入しようとしたのですが、すでに書きましたように上書き保存できませんので、わたしのIDやコードに書き換えられません。

結果、ダッシュボードには、データ取得不可で、以下のような赤いエラーメッセージが表示されます。

当サイトのブログは、1日で2万のページビュー、時には4万ページビューを記録することもありますが、わたしはサイトからは、1円の報酬も得たことはありません。

わたしのサイトはかなりアクセスは多いいのですが、誰かにアクセス数を盗まれているとしか思えない異変に見舞われ続けています。

 

*次号は、本号の続編を書く予定です。

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