7月8日、安倍元総理が奈良の大和西大寺駅前で選挙の応援演説中に銃撃され、殺害されるという衝撃的な事件が発生しました。日本国内はもとより、海外からも安倍氏の死を悼む声が続々と伝えられ、事件から1週間経った今も、日本中が安倍氏の死の衝撃と深い悲しみの中にいます。しかし安倍氏に深い哀悼の意を表しつつも、なぜこの惨劇が起こったのか、事件の真相を解明する必要があるのではないか。
1.使命感の欠如
参院選は、選挙最終盤になって、安倍元総理が銃撃されて殺害されるという衝撃的な事件に襲われる中、当初予想されていた以上の自民党の圧勝に終わりました。この結果には、安倍氏殺害事件が影響したことは否定できませんが、選挙に与えた影響以前に、この事件は日本社会の縮図として読み解くべきなのではないかと思います。
わたしはこの銃撃事件は、動画を通してその瞬間を見ましたが、最初の発砲時にも、2度目の発砲時にも、安倍氏の側に駆け寄り盾となって安倍氏を守ろうとした警護が一人もいないことに衝撃を受けました。
Twitterにその旨投稿しましたが、西日本新聞の夕刊トップに、安倍総理の背後に警護らしき男性二人が、目を光らせて立っている大きな写真が掲載されていました。動画では安倍氏のすぐ側には警護がいるようには見えなかったのですが、この大きな静止画像を見て、わたしの見間違いなのかと思い、その旨のTwitterを追加投稿しました。
選挙結果も確定した11日、改めていくつかの動画を見直したところ、最初の印象通り、発砲時には誰一人安倍氏を守るべく盾となった警護は皆無であることを確認しました。あの西日本新聞の巨大写真は何のためだったのかと思いつつ、間違い確認後すぐさま、警護はいたと訂正したTwitterは削除しました。
映像で見えた警備の穴
安倍元首相銃撃までの2分26秒 日経新聞(非常に簡潔にまとめられています。)
【日曜スクープ】蛮行…安倍元総理が銃撃で死亡(2022年7月10日) ANNnews 2022/07/11
安倍元首相の暗殺 どのように起きたのか 2022年7月9日 BBC
などの報道機関の記事や動画には、事件当時の様子が図解されており、人の動きが非常に分かりやすく解説されています。
ANNnews動画の後半に図解入りの解説が出てきますが、専門家も指摘するように、大和西大寺駅前の安倍氏の演説会場は、360度どこからでも狙うことができる穴だらけの場所であるにもかかわらず、安倍氏の身の側には一人も警護が配置されていないという、通常ではありえない警護体制であったという。通常では、日本でもこういう場所では360度警護を配置することになっているという。
この日の演説は事前には予定されておらず、前日の夕方、急遽奈良行きが決まったという。急なことでもあり、奈良県警でも検討した上で、翌日の朝、受け入れを了解したと県警が発表していました。
警視庁からはSPも派遣されたとのことですが、県警から派遣された警護も含めて人数等は公表されていないとのことで、正確な警備状況は不明です。
となると動画から推測するしかありませんが、動画からはっきりと分かることは、銃撃された安倍元総理を、身を挺して守ろうとした警護が一人もいなかったということです。
目撃証言によると、安倍氏は2度目の銃撃後自ら演台を降りて、路上に崩折れたという。路上に崩折れる瞬間まで安倍氏の身を支える人が一人もいなかったわけです。
銃撃の瞬間の様子は動画からも確認することができますが、1度目のみならず、2度目の発砲後も、警護も含めて誰一人、安倍氏に視線を向けることさえしていません。これは余りにも衝撃的な事実ではないでしょうか。
当然のことながら、奈良県警も警護に問題があったことは認めざるをえませんでした。
テレ朝news 安倍元総理銃撃 奈良県警「警備に問題」
上記の奈良県警の動画の下に、現場で銃撃の瞬間を目撃した人々の目撃証言が掲載されていますが、この証言からも、安倍氏を守るために動いた警護は皆無であったことが分かります。
しかし県警も認めている警備上の問題とは、単に警備の数や体制などの物理的な問題だけではなく、要人警護に必須の使命感が根本から欠如していた点にこそ、今回の惨劇を招いた最大の原因があったと省みるべきではないかと思います。時には我が身を危険に晒してでも、警護対象者を守るという基本的な使命感です。
山上容疑者は、安倍氏を殺害するまで安倍氏をつけ狙うつもりだったようですが、奈良での凶行を未遂に終わらせていたならば、当然のことながら彼のその後の凶行もありえません。
しかしそれ以上に問題なのは、手製の銃でも簡単に人を殺せるのだという事実を満天下に晒した、知らしめたことではないか。未遂に終わっていたならば、手製銃の威力が広く満天下に知られることはなかったわけですが、たった2発で、安倍氏をほぼ即死させた手製銃の威力が日本中、世界中に知れ渡りました。関連して、簡単に手製銃を作ることができるという情報も拡がっています。
このが事件がきっかけで、厳しい銃規制だけでは銃犯罪を防ぐことはできないという、暗黒社会が到来しないことを祈るばかりです。
なお奈良県警は、事件翌日、安倍元総理の遺体の司法解剖を発表しました。発表によると、左上腕から入った銃弾1発が、左右の鎖骨下にある動脈を傷つけたことが致命傷になったという。死因は失血死だったとのことですが、これは事件当日、安倍氏の救命処置をした奈良県立医科大学の福島教授の、心臓に穴が空いていたという説明とは異なっています。
心臓に穴が空いていたということは、銃弾が心臓にまで達していたことを意味しており、心臓まで貫通していたのであれば、素人ながら、即心肺停止も避けがたいと思いますが、鎖骨下の動脈損傷だけで、即心肺停止になるのでしょうか。
不可解なのは、県警の発表では心臓の穴については全く言及していないことです。ほぼ即死状態だったので心臓の状態も調べたはずですが、県警では心臓の穴は確認しなかったのでしょうか。
一方、福島教授は奈良県警が発表したような部位への損傷は言及されていませんでした。会場の音声が聞き取りにくく、聞き漏らした可能性もゼロではありませんが、左上腕が撃たれたという報道も動画も皆無です。
余計なことは一言も発せず、ポイントのみを厳格に説明されていた福島教授が、事実と異なることを説明されることは100%ありえないと思いますので、奈良県警は死因発表でも基本的な使命を逸脱していたのではないか。
皇室を貶めるような発言を繰り返したり、様々な不祥事を重ねている皇居警察を放置したままであるどころか、使命感欠如者が出世すらしているなど、昨今の警察組織は基本的使命の逸脱や放棄が甚だしい。
なお、産経新聞は以下のように、福島教授の会見内容と、奈良県警の発表を合わせてそのまま紹介しています。
命奪った2発の銃弾 心臓到達、大量出血にすべなく
2022/7/14 産経新聞
2.安倍元総理の死を悼む
7月11日には安倍元総理のお通夜、12日には葬儀が行われました。お通夜と葬儀の様子を動画で見ましたが、元総理の遺体を載せた車が自民党本部や官邸、国会議事堂などをめぐる様子を見ながら思わず涙がこぼれました。
葬儀の日、想像を超えるほどのたくさんの人々が沿道を埋め尽くし、安倍元総理の遺体を載せた車を見送っていました。コロナ感染が拡大しつつある中でしたが、感染予防のための3密回避よりも、安倍元総理に最期のお別れをしたいという思いの方が圧倒していました。
また、奈良の事件現場や、葬儀が行われた増上寺や自民党本部など関係する多くの場所には、献花のために訪れた大勢の人々が、超長蛇の列を作っていました。また海外からも想像を超えるほどの弔辞が寄せられました。
その中には、ロシアのプーチン大統領をはじめロシアの政府高官からの、非常に丁重な弔辞もあったという。
なぜ冷徹なプーチンが遺族に弔電を送ったのか…佐藤優「ロシア政界が安倍晋三を尊敬していた本当の理由」どこまでもリアリズムで戦略的だった安倍外交
PRESIDENT Online 佐藤 優
安倍元総理の政治手法は毀誉褒貶が激しく、批判の陰に隠れて目につきにくい安倍外交のリアリズムを分析した上記の佐藤優氏の論評を読むと、惜しい政治家を失ったことに思いを新たにせずにはおられません。
しかし、その死を悼むプーチン大統領は、安倍元総理の在任時代、弔辞にこめられたような誠意ある対応をしたでしょうか。皆無です。両首脳は27回も会談を重ね、個人的にも近しい関係を築き、開発が遅れていたサハリン開発に日本政府は4000億円以上もの税金投じていました。
これは単にロシア支援にとどまらず、日本のエネルギー確保上も重要なプロジェクトであったとはいえ、プーチン大統領はその決断をした安倍総理に感謝するどころか、ロシアの領土の割譲・譲渡を禁じる(北方領土の返還を全面的に禁じる)憲法改正という、非礼きわまりない裏切り行為でもって応えました。
ここにこそ、ロシアの正体があると見るべきではないか。というよりも、ロシア、韓国、中国の3国は、この点においては全く同じ。日本が支援しても支援しても感謝するどころか、支援要求を増大させるべく日本を非難するばかり。
プーチン大統領やロシア高官の心のこもった弔辞を読み、佐藤氏の分析を読むと、大国間のバランスに絶えず気を配っていたという、安倍元総理のリアリズムに徹した外交力の大きさには改めて気づかされますが、ロシアには一切幻想をもつべきではないとの思いも新たにすべきだと思います。
ロシアは我が利を得るためには、平然と恩を仇で返し、平然と無法、不法を犯す国であるということ。その危険を承知の上で付き合うべき相手であるということです。ウクライナへの侵略でもロシアのその正体は遺憾なく発揮されています。
本項最後にちょっと気になったことを一言。12日の安倍元総理の葬儀の日、松野官房長官は完全平服で会見をしておられました。さらには官邸前で安倍元総理の遺体を載せた車を迎える場でも、平服そのままでした。葬儀に出席した岸田総理などは当然のことながら喪服です。葬儀にも出ておらず、いつも通り政務をこなす必要のある官房長官としては、喪服では仕事もできませんので基本は平服でいいとしても、せめてネクタイだけは服喪の気持ちを示す黒にすべきだったのでは? 目立ちましたし、素朴な疑問。前日のお通夜の日はどうだったのかは、確認していませんが。
3.統一教会被害の実態
安倍元総理の死を悼む声が国内外から満ちあふれている中ですが、安倍元総理暗殺というこの惨劇のリアリズムは、たとえ安倍元総理への批判を含むことになるとしても、統一教会への言及は不可避とならざるをえません。
安倍元総理や父親の安倍晋太郎元外相や祖父の岸信介元総理と統一教会の関係については、かなり昔から公然と指摘されてきましたが、ある時期から統一教会に関してはマスコミではほとんど報道されなくなったこともあり、今回の事件発生まで、両者の関係は余り表沙汰にはなっていませんでした。
しかしこの事件を受けて、以下の動画にあるように、霊感商法対策弁護士連絡会が急遽記者会見を開きました。安倍元総理の葬儀のあった7月12日午後5時30分からの会見でしたので、葬儀が終わった後に開かれました。
【令和4年7月12日】全国霊感商法対策弁護士連絡会 記者会見 – Bing video
2022/7/12(火) 17:30開始(2時間31分)
会見によると、統一教会の悪辣商法は今現在も続いていることと、安倍元総理をはじめ与野党の政治家が統一教会と緊密な関係にあることがあらためて明らかになりました。
上記の記者会見動画では、一般マスコミでは全く報道されない、今なお続く統一教会による信者の血を絞り取るような集金システムの実態が、統一教会関連訴訟に関わってきた弁護士と、統一教会によって家庭が破壊された元信者の女性Aさん(顔、姿は隠した声のみ)による証言によって明らかにされています。
Aさんも高校時代に、熱心な信者になった母親から嫌応もなく信者にさせられ、21歳で合同結婚式に参加させられたという。合同結婚式では、文鮮明(教会)が選んだ相手がどんな人物であっても拒否できず結婚しなければならないという。
Aさんがあてがわれた相手は19歳の韓国人男性ですが、中学中退で、無職無収入、家もない、家族もいないという男性だったという。彼は日本にやってきてAさんの家で暮らし始めますが、殴る蹴るの暴力がやむことがなかったという。離婚したいと母親にも教会にも相談したが、どちらからも反対されたという。
子供(女児)ができたので、少しは変わるかと期待したが韓国人夫の暴力は全く変化なし。この暴力が娘にまで及ぶことを恐れてAさんは離婚を決意するが、またもや母親と教会に反対される。しかし、男が、日本での永住権を得るためにのみ合同結婚式に参加し、Aさんと結婚したという男の本音を知った彼女は、反対されても離婚することを強く決意。男の暴力がエスカレートし、男がAさんの母親の目の前でも暴力を振るうのを目にした母親は、さすがに離婚に反対しなかったという。
この離婚を機に、Aさんは統一教会と縁を切るのかと思いきや、またもや教会の勧めを受けて、今度は韓国で合同結婚式に参加、韓国人男性と結婚したそうですが、この男性は、学歴も職業も収入もすべて嘘の情報を登録していたという。
相手の国籍、職業、学歴、障害などを理由に結婚を拒むことはできないというのが合同結婚式の大鉄則。Aさんは男性の嘘が分かってもこの男性と結婚し、韓国で10年暮らしたという。この間、韓国人夫はAさんの信販カードを勝手に使い、Aさんは多額の借金を負わされて自己破産を余儀なくされたという。
これほどの被害を受けてきたAさんですが、文鮮明の死を機にやっとマインドコントロールが解けて、男と離婚して日本に帰国、現在は働きながら子供を育てているという。
日本と韓国で合同結婚式を経験したAさんによると、日本ではこの結婚式に参加するには一人140万円支払う必要があるという。強制結婚式であるにも関わらずです。韓国でも参加費は必要ですが韓国では一人14万円で済むという。
日本人からは巨額のカネを絞り取ろうという魂胆がありあり。その他にも壺や印鑑や先祖供養など、様々な名目で収奪。教祖文鮮明の言葉を記した「聖本」は1冊3000万円、しかも一人3~5冊も買わされるという。
韓国ではこんな高額商売は不可能ですが、日本人信者は次々と統一教会の毒牙にかかって巨額の資産を収奪されています。
このAさんの母親や山上容疑者の母親のように、巨額の資産を収奪されても今なお信者を続けている人も大勢いるわけですが、騙されたと気づいて裁判を起こした元信者の被害額は、教会に収奪された日本人信者の資産のごくごく一部ですが、その被害額だけでも1270億円に上るという。
ちなみにAさんは3人姉妹だそうですが、姉妹とも音信不通、どこにいるかも知らないという。全員母親から身を隠すために互いに居所さえも知らないという。
山上容疑者の場合、もともと家は裕福だったらしい。父親は国立大学を出て建築関係の仕事をしていたそうですが、母親の父親(山上容疑者にとっては祖父)は建築会社を経営していたという。
ところが1998年頃(伯父の話では1991年に入信、直後から巨額献金開始)、母親が統一教会に入信した後、同年に祖父が死去。祖父の死を受けて会社も広い実家の家も母親が継いだそうですが、すぐさま会社も家も売却。売却したカネは教会に献金。祖父の死亡保険金共々献金されたとのことで、献金額は1億円以上にも上ると推測されています。詳しくは下に掲載した「*山上容疑者の伯父による衝撃的な証言」をご覧ください。
献金する資金が尽きると母親はカードローンなどで借金して教会に貢ぐも、2002年に、ついに自己破産に至る。奈良地裁には母親のこの自己破産決定の記録も残っているという。(【”統一教会”の献金などの活動を非難】紀藤正樹弁護士ら全国霊感商法対策弁護士連絡会が記者会見)
2002年といえば、山上容疑者が期間限定の任期制で海上自衛隊に入隊した時期とも重なります。県内有数の進学校に進学したものの、経済的理由で大学進学を断念、入隊したものと思われます。
自衛官の任期満了とは?任期満了金やメリット!知っておきたい任期制 2021.07.21 JAIC
任期制自衛官は、様々な資格を取得できるとのこと。山上容疑者もその頃取得したのかどうか、いくつか資格を持っていることが報じられていましたが、犯行直前のフォークリフトの仕事以外は、どんな仕事をしていたのかは不明です。
ただはっきりしていることは、母親が入信したことにより家庭がめちゃめちゃに破壊されたとして、山上容疑者が統一教会に対して深い恨みを募らせていったということです。長らく統一教会被害者の支援をしてきた紀藤正樹弁護士が指摘するように、統一教会の非道きわまりない収奪システムに惨劇の遠因があることは明白すぎる事実です。
続く霊感商法、紀藤弁護士「銃撃事件の遠因を作り出した」 2022/07/13 読売新聞
*山上容疑者の伯父による衝撃的な証言
自殺未遂をした山上容疑者、母親の献金で困窮…兄と妹に「自分の生命保険金を渡そうと思った」2022/07/16 読売新聞
母親は旧統一教会に「破産後も献金続けていた」…山上容疑者の伯父が証言
2022/07/15 読売新聞
伯父(77歳、元弁護士、現在は引退)の証言によれば、母親の入信は教会発表の1998年ではなく、1991年。
母親は直後に2000万円を統一教会に献金し、まもなくさらに3000万円を献金した。原資には山上容疑者が4歳だった頃に自殺した父親の生命保険金のほか、98年に死去した母親の実父から相続した自宅や会社の土地などを売却した金も充てた。
(母親は旧統一教会に「破産後も献金続けていた」…山上容疑者の伯父が証言)
母親は2002年の破産後も教会への献金を続けていたそうですが、山上容疑者は困窮する兄と妹を救うために自分の生命保険金を渡そうと、未遂に終わったものの自殺を図ったという。教会の行事に出席するために度々渡韓していた母親は、この時も渡韓中で、伯父が連絡しても教会の行事が終わるまで帰国しなかったという。(自殺未遂をした山上容疑者、母親の献金で困窮…兄と妹に「自分の生命保険金を渡そうと思った」)
子供よりも教会こそが命とのマインドコントロールが、母親の心を破壊し尽くしていたわけです。
ご紹介した記事からも分かりますが、読売新聞はこの事件の背景を積極的に報道しています。ただ「「母親は破産後も献金続けた」…山上容疑者が自殺未遂しても韓国から戻らず」というタイトルの記事もあったのですが、「母親は旧統一教会に「破産後も献金続けていた」…山上容疑者の伯父が証言」の記事にリンクが貼り替えられています。
当初はタイトル通りの別記事でしたが、いつの間にかリンクが同じものに変わっています。上記二つの記事からも「山上容疑者が自殺未遂しても韓国から戻らず」との、子供より教会が命だという母親の心理状況は十分伝わってきますが、一言お断りしておきます。
ちなみに保存し忘れましたが、産経新聞の記事では、母親の自宅の近隣住民の話では、母親に子供がいることは誰も知らなかったという。この一家も完全離散状況。現在、母親は伯父の家に身を寄せているという。
4.彼を凶行に追いやったもの
しかしもっと直接的な要因としは、極悪非道な統一教会の活動を野放し状態にしてきた日本社会の有りようこそが問われるべきではないかと思います。
その筆頭は、今なお続く統一教会の悪徳商法を、この事件発生まで全く報道してこなかった、日本の大手マスコミの超偏向報道です。わたしはタブーなく様々なニュースを見ていますが、そのわたしですら、統一教会の悪徳商法が今なお続いているとは、具体的には全く知りませんでした。
以下の動画のような、安倍元総理が統一教会と親密な関係にあることを知っても、
安倍晋三、統一教会との蜜月を笑顔でカミングアウト。イベント登壇&韓鶴子総裁を称賛で本性あらわ、「票とカネ」目的の歪な関係
2019年も被害額は11億円。あの「統一教会」は名前を変えて若者をだまし続けている 2022.05.11 MAG2 佐高信
あるいは文鮮明教祖死後も、自民党議員や野党議員や大村愛知県知事などが統一教会と親密な関係にあることを知っても、その勢威を支える背後事情にまでは関心は向けずにいました。関連情報が目に入らなかったからです。
紀藤弁護士をはじめ霊感商法対策弁護士連絡会が今も活動を続けておられたことも、Twitterで送られてきた記者会見動画を見て初めって知った次第です。言い換えれば、今回の惨劇がなければ、統一教会の悪徳商法が今なお続いていることが表沙汰にはなることはなかった、これだけは明白すぎる事実です。
安倍元総理が犠牲になったことは余りにも重大すぎる結果ではありますが、
<独自>「安倍氏襲えば家庭連合に非難」と供述 容疑者母親の献金は1億円超か
2022/7/13 産経新聞
との山上容疑者の思いは、ひとまず果たすことはできたと思います。マスコミが沈黙し、政治家が支援し、警察もほとんど動かぬ中、統一教会を成敗する方法は他にあったかと言えば、ない、ありません。
山上容疑者の母親は実家や会社の土地だけではなく、死亡した父親や祖父の死亡保険金まで教会に献金したとのことですので、霊感商法対策弁護士連絡会に相談すれば、子供や孫への遺贈分は取り戻せたかもしれませんが、この弁護士連絡会の存在はマスコミでは全く報道されていませんので、山上容疑者は知らなかった可能性は高い。
今回の事件後、西日本新聞も含め、メディアは統一教会についてやっと報道するようになったとはいえ、【令和4年7月12日】全国霊感商法対策弁護士連絡会 記者会見 – Bing videoについてはほとんど報道していません。なぜなのか。
この記者会見で弁護士連絡会は、安倍元総理が、統一教会の韓鶴子総裁にビデオメッセージを送ったことに対して、公開抗議文を送ったものの、受け取りを拒否されたことも明かされています。
連全国霊感商法対策弁護士連絡会が安倍氏に送った公開抗議文 2021/9/17
安倍氏の地元山口県の安倍事務所にも送ったそうですが、こちらは受け取ったものの、返事はないとのこと。
直接安倍氏に送った抗議文が受け取り拒否されたということは、非常に重大な事実ではないかと思います。安倍氏は、連絡会が統一教会被害者の救済活動をしていることは百も承知しており、それゆえに受け取りを拒否したわけですが、安倍氏は、統一教会による被害者の存在や被害からの救済など頭から拒否したということです。
連絡会はこの2年前の2019/9/28には、全国会議員に対して以下のような要望書を送っています。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題の【要望書】 国会議員の先生方2019/9/27
当然、安倍氏も受け取っているはずですので、連絡会の活動内容はもとより、今度は直接ご自分に届いた抗議文の内容も即推測できたはず。ゆえの受け取り拒否です。
安倍氏は21年時点では総理の座を退いていたとはいえ、元総理として、そして国会議員として、統一教会から被害を受けている人々の声を聞く義務があったはずですが、聞くどころか、救済に協力する意思すらないことを露骨に示したわけです。
安倍氏の拒否は、国民の暮らしを守るよりも統一教会を守る意思を明確に示したことに外なりません。国会議員としての使命感の完全欠如というよりも、基本的な使命の放棄です。
山上容疑者はこの事実は知らなかったはずですが、統一教会の悪事を政治家が隠蔽し、その悪事を告発すべきマスコミも沈黙する中、被害者はいかにしてリベンジを果たせばいいのか。裁判するにも資金が必要。
カネも知識もない被害者は、命をかけて私刑・リンチに走る以外に道はないと思い込んでも不思議はありません。つまりは、山上容疑者を凶行に走らせたのは、統一教会の悪事を支え、黙認してきた日本の政治家とマスコミです。
安倍元総理や政治家が統一教会のイメージキャラ的に、教会の悪事ロンダリングに協力していたとしても、マスコミが容赦なくその悪事を暴いていたならば、政治家は嫌でも、統一教会との表だった協力はできなくなりますが、マスコミが完全沈黙を続ける中では大手を振って協力します。
弁護士連絡会の抗議文など誰も知らないわけですから、堂々と受け取り拒否。
MAG2に新恭氏が祖父・岸信介からのつながり。安倍元首相と統一教会のただならぬ関係
というタイトルに偽りありと思えるような記事を発表しています。統一教会との関係を追求しているような印象ですが、さにあらず。
弁護士連絡会の記者会見の内容も一部紹介していますが、会見に出席していないのではないか、あるいはきちんと最期まで動画を見たのかと思うようないい加減な内容です。
最も不可解なのは、連絡会が統一教会にビデオメッセージを送った安倍氏に対して、公開抗議文を送ったことに触れていながら、安倍氏がこの抗議文の受け取りを拒否したという重大な事実については、一言も触れていないことです。
連絡会からの抗議文の受け取りを拒否したということは、安倍氏が、日本国民の被害者を救済するよりも、統一教会を守ることを明確に示したことになるので、この事実については触れなかったのではないか。
あるいは記者会見には出ておらず、動画もきちんと見ないまま記事を書いたのか。どちらかは不明ながら、フリーのジャーナリストですらこんなにいい加減です。
マスコミが、全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見そのものの報道をしていないのも、新氏と共有の「配慮」によるものなのか。
(*西日本新聞は、7/16にやっとこの記者会見に触れる記事を掲載しましたが、抗議文に関しては完全無視。ただし以下のような伯父の証言も掲載、この事件の解明にも寄与する内容です。7/17)
山上容疑者の母、旧統一教会に1億円献金 伯父証言、自己破産後も継続
西日本新聞 2022/7/16 6:00 (2022/7/16 9:50 更新) [有料会員限定記事]
上記記事はネットでは有料記事になっていますが、この記事中に伯父の証言要旨が掲載されています。伯父の証言は各紙とも報道していますが、まとめは貴重だと思いますので、その部分だけ画像にして紹介させていただきます。(7/17)
なお、弁護士連絡会の記者会見の動画には2種類のリンクを貼っています。というのは、下書きに貼ったリンクが翌日には非公開扱いになって閲覧不可になった事態に2度遭遇していますので、一つにアクセスできなくなってももう一つにアクセスできるようにとの配慮によるものです。動画の盗作も多いので、おそらく著作権侵害で公開不可になっているのではないかと思います。
幸い、2時間30分という非常に長い記者会見を文字起こしして公開しておられる奇特な方がおられます。その労に感謝しつつ、以下にご紹介します。音声と文字が完全に一致しているのかどうかまでは確認していませんが、ほぼ再現されていると思います。
全国霊感商法対策弁護士連絡会記者会見 文字起こし① 2022年07月14日 統一教会って何?
全国霊感商法対策弁護士連絡会記者会見 文字 起こし② 2022年07月14日
全国霊感商法対策弁護士連絡会記者会見 文字起こし③ 2022年07月14日
日本のマスコミやジャーナリストは、安倍元総理の命を奪い、闇に深く隠されてきた統一教会(「家庭聯合」は改称後の略称)の悪事を表面化させた、山上容疑者の思いを正面から受け止めるべきだと思います。そして政治家もです。
ところで岸田総理は、秋に安倍元総理の国葬を行うことを発表しました。なぜ国葬なのか?
山上容疑者が安倍元総理銃殺という凶行に走った背景を考えると、国葬はありえないと思います。
山上容疑者は7月に入るまでは、統一教会の韓鶴子総裁を殺害するために様々に試みたらしいですが、コロナ禍で総裁の来日も中止になり、彼自身の渡韓もできなくなったという。7月に入るとコロナ感染が急拡大し始め、韓総裁の殺害は不可能になり、その代理のような形で安倍元総理が狙われ、殺害されました。
家庭連合総裁を襲撃計画 山上容疑者、3年前来日に「火炎瓶持って行った」
7/15(金) 産経新聞
実は安倍元総理は、今回の奈良での応援演説の前にも応援演説のために奈良に入ったそうですが、山上容疑者はその頃はまだ安倍元総理を殺害することは考えていなかったという。
殺害に至る経緯を考えるならば、安倍元総理がどれほど国際的に高い評価を受けているとしても、安倍元総理の国葬はありえないはずですが、岸田総理は、なぜ国葬を決定したのでしょうか。山上容疑者の背後には、似たような被害者は大勢いるはずです。
岸田総理をはじめ、与野党の全国会議員と日本全国の全地方自治体議会議員や首長の皆さんは、
【令和4年7月12日】全国霊感商法対策弁護士連絡会 記者会見 – Bing video
を最期までご覧ください。見る義務があるはずです。マスコミの皆さんも、です。
自民党の国会議員の秘書の中には統一教会から派遣された秘書も含まれているという。さらに恐ろしいことには、その統一教会の秘書の中から、地方議員などに送りこまれるケースもあるという。
*山上容疑者の伯父による衝撃的な証言(非常に重要な証言ですので重複掲載)
自殺未遂をした山上容疑者、母親の献金で困窮…兄と妹に「自分の生命保険金を渡そうと思った」2022/07/16 読売新聞
母親は旧統一教会に「破産後も献金続けていた」…山上容疑者の伯父が証言
2022/07/15 読売新聞
*統一教会被害を伝える記事の追加
カードで借金してでも献金しなさい…元信者の証言「旧統一教会の本性」と「安倍一族との近すぎる関係」信者を勧誘する際は「現在の貯蓄は?」と聞くのがセオリー
PRESIDENT Online 2022/07/12 多田 文明(元信者)
家中に貼られたお札、トップ校に進んだ「てっちゃん」は友人に母の入信明かせず
2022/07/15 読売新聞
「お金お金お金、献金献金で家庭ぐちゃぐちゃ」山上徹也容疑者の家庭だけではない ”統一教会”元信者が語る 富山 チューリップテレビ(Yahoo)7/11(月)
合同結婚式には小銃を持参せよ─統一教会、文鮮明の息子は語りかける
クーリエジャポン 9min2018.10.1
統一教会はアメリカでは資産の収奪はしていない模様。代わって、武器の販売に注力。単なる宗教団体ではなく、コングロマリット・多業種複合企業体の統一教会は武器分野にも進出しているらしい。アメリカの信者は日本とは異なって、銃を手に王様ごっこを楽しんでいるみたい。
ちなみに、弁護士連絡会によると、統一教会を野放しにしているのは日本だけだという。統一教会と政治の近さを物語っています。統一教会による巨額資産の収奪も、おそらく日本でのみ行われているはずです。